おはようございます。

 

Shortmanです。

 

先週末の金曜日に何が起こるかわからないから今日が連休で良かったです。波乱の幕開けとなった先週5日続落の状況で、東京市場から今週が始まるのは状況を見極めるのが難しいと考えていたので。今週末の休暇で大きなニュースはなし。どちらに転ぶかは中国や中東情勢次第です。基本は「弱い」かなと思いますが、相場は上げ下げの繰り返しです。わからない時は慌てずに様子見をしましょう。

 

 

前週1月4日週の概況:

 

中国経済の不透明感に加え、北朝鮮の水爆実験やサウジとイランの緊張等の地政学リスクありとリスク回避な一週間であった。ダウは週間で1000ドル超値下がり。SP500もご営業日安で、週間6.0%もの下げとなり、年明け5日間のパフォーマンスとしては1928年以降で最悪となった。 ナスダック2011年以来最長の7営業日続落であった。日経平均も戦後初の5営業日連続安。こうした株式市場の混乱を背景に、120円台前半でスタートしたが、あれよあれよ117円台まで下落した。 雇用関係の指標で米国経済の底堅さは確認できるが、リスク回避ムードに変更が見られない。

 

 

今週1月11日週の予想レンジ:

 

115円~120円

 

私は先週金曜日の朝にこう書いてました。

 

「今夜は米国の雇用統計が公表されます。そろそろ下げ一服感がで始めてもおかしくない短期シグナルに変わりつつあります。中国市場が平静を取り戻せば、年初から良い感じで下げてきたので、週末を挟んでトレンドが変わるかも知れません。無理な思い込みによるポジションは持たない方が良いと思う金曜日です。」

 

金曜日のダウを見る限り、どうやらトレンドの変化にはもう少し時間がかかりそうですね。依然としてリスク回避ムードがムンムン漂っています。ということで、シグナルには短期売られ過ぎな兆候も見え始めておりますので、深追いは禁物ですが、目先はやはり「売り」圧力が強いと見ております。

 

Shortman’s View

 

ちょっと8日のおさらいをしておきましょう。

 

先週8日のNY市場:

 

NY株式市場は続落。

 

ダウ平均 終値16,346.45ドル 前日比167.65ドル安(1.02%安)
NASDAQ 終値4643.63pt 前日比45.79pt安(0.98%安)
SP500 終値1922.03pt 前日比21.06pt安(1.08%安)

 

中国経済の不透明感に加え、北朝鮮の水爆実験やサウジとイランの緊張等の地政学リスクありとリスク回避な一週間であった。8日金曜日には12月の米雇用統計が公表されましたが、予想よりも大幅に強い内容であったにもかかわらず、中国経済の景気不透明感や中東情勢の緊張もある中で、雇用統計で材料出尽くしで、週末で積極的なポジを構えることもできずに、ダウは下落しました。ダウは週間で1000ドル超値下がり。SP500もご営業日安で、週間6.0%もの下げとなり、年明け5日間のパフォーマンスとしては1928年以降で最悪となった。 ナスダック2011年以来最長の7営業日続落であった。

 

 

 

ダウとドル円

ダウとドル円

 

珍しく日経平均も・・・日経平均も戦後初の5営業日連続安。東京時間には、上海株式市場でサーキット・ブレーカー制度が停止され、中国政府の株の買い支えもあり、上海株の下落はひと段落して、日経平均は安値から470円も値を上げて前日比200円超まで値を伸ばしたが、後場に入ると徐々に値を落とし、結局、前日終値69.38円安の17,697.96円で取引を終えている。

 

NY為替市場はドル買い・円買い。

 

こうした株式市場の動きに連動するようにドル買いと円買いが行われた。リスク回避の動きからドル円は東京時間には117.50円まで円高が進行しましたが、人民元レートの引上げと上海株式市場が安定していたこともあり、東京時間には一時118.57円まで1円以上円安方向に向かいましたが、その後はもみあいに。NY時間に入り、12月の米雇用統計が公表されると、予想を大幅に上回る強い内容で、一気にドル買いが進行し、ドル円は一時118.75円まで急上昇しましたが、その後は週末で積極的なポジションを構築できないことや、リスク回避ムードが高まり、117.20円台まで下落した。

 

 

 

ドル円と米2年債利回り

ドル円と米2年債利回り

米労働省が先週末の8日に発表した12月の非農業部門雇用者数(季調済)は、前月比29.2万増となり、市場予想の20万人増よりも強い。また、前月は21.1万人増から25.2万人増に上方修正されている。なお、前々月も情報修正され、2015年通年では雇用者数は265万人増加となり、1999年以降では、2014年の310万人増に続き2番目の伸びとなった。 失業率は5.0%となり市場予想通り。

 


 

Shortman’s View

 

さて、これにより市場参加者が騒ぎ出すのが、次回のFOMCで利上げの話題。

 

毎回恒例のFED WATCHによると3月に0.25%引き上げられる確率は約41%。
CME, FED WATCH

出所: CME, FED WATCH

 

何と市場参加者の41%が3月に利上げが行われると予想しているではないか・・・

 

引き上げられると考えている人、まだ早いと考えている人、それぞれの主張を読んでみてください。

 

ロイター, 米雇用統計:識者はこうみる

 

 

 

こうした意見はポジション・トークでもありますので、注意が必要です。しかし、どんなポジションを保有しているのかの判断材料にはあるので、先入観を消して読み進めることをお薦めします。

 

利上げか否かは、意見の分かれるところですね。

 

せっかくの連休なので、この辺を本日は少しだけ深く掘り下げましょう。

 

リーマン・ショック等の金融危機以降、FRBの二つの使命は「雇用の最大化」と「物価の安定」だとバーナンキ前議長は言い、非伝統的金融政策(量的緩和・通称:QE)を実施してきました。一昨年、昨年と雇用統計を見る限り、雇用の最大化は実現しているのかも知れません。

 

しかし、一方の物価の安定という意味ではどうでしょうか。本日はこのあたりに焦点を絞りって研究をしてみましょう。

 

さぁ、ここでフィリップス曲線の登場です。Wikiにフィリップス曲線の特徴が非常に分かりやすくまとめてあります。

 

「縦軸にインフレ率(物価上昇率)、横軸に失業率をとったときに、両者の関係は右下がりの曲線となる。フィリップスが初めて発表した時は縦軸に賃金上昇率を取っていたが、物価上昇率と密接な関係があるため、縦軸に物価上昇率を用いることが多い。これは、短期的にインフレ率が高い状況では失業率が低下し、逆に失業率が高いときはインフレ率が低下することを意味する(インフレーションと失業のトレードオフ関係)。つまりフィリップス曲線とは、短期において「失業率を低下させようとすればインフレーションが発生」し、「インフレーションを抑制しようとすれば失業率が高くなる」ということを表した曲線である。」

 

 

 

図にするとこんな感じですね。

フィリップス曲線

インフレと失業率はトレード・オフな関係にあるので、日銀やFRBが量的緩和を行い続けているのは、金融危機による信用収縮や株価の暴落を防ぐ目的もさることながら、デフレを防ぎ(つまりインフレ誘導し)、失業率を低下させようとする試みでもあるのです。また、米雇用統計を見る限り賃金に関してはかなり緩やかですが、回復基調にあることは事実です。

 

しかし、昨年から私が指摘しているように、FRBによる金利引上げに伴うドル高政策は商品価格の下落をもたらします(デフレ圧力)。さらに、新興国からの資金流出が加速し、新興国政府は負担を強いられ、金融・資産市場に混乱をもたらします(景気減速圧力・金融危機増長)。さらには、ドル高・新興国通貨安を招き、貿易相手国の購買力の低下を招き製造業に打撃を与えます(失業率の上昇・賃金低下圧力・景気減速・デフレ圧力)。今回は、ドル高で米製造業が振るわないことや、新興国通貨安で金融市場が混乱することも過去のレポートで説明済ですので、今回は省略してインフレの面にも注目しましょう。

 

昨年7月にFRBが出口戦略を模索し始めていることが明らかになって以降、ドル高トレンドなり、商品価格は下落を初め、特に原油価格の下落は日本や米国の物価上昇率の伸びを大きく鈍化させております。

 

 

 

商品価格指数とドル・インデックス(週足)

商品価格指数とドル・インデックス(週足)

原油価格とドル・インデックス(週足)

原油価格とドル・インデックス(週足)

これらを見る限り金利引き上げよるドル高と、それに伴う商品価格、特に原油価格の下落・低迷は、デフレ圧力を高めるものである。従って、一見すると雇用が最大化に思える現状ではあるが、フィリップス曲線で考えるならば、物価にはデフレ圧力が働いていると言える。

 

一方で、実際の消費者物価指数はどうであろうか。昨年11月のCPI・コア(棒線)の推移を見て欲しい。11月は0.2%増となり前月比で横ばいながら、前年同月比で見ると緩慢ではあるが、物価の上昇が確認できる。こうした兆候はFRBによる利上げを後押しする材料となる。

 

CPI(前月比)

CPI(前月比)

CPI(前年同月比)

CPI(前年同月比)
​出所: ECONODAY

 

そう、もうお分かりになりましたね。

 

緩やかながら上向いているインフレ率の存在が、フィリップス曲線を思い浮かべる市場参加者の脳裏に、「これはやはり利上げに踏みくるのではないか」という期待を形成させるのです。

 

今後の利上げを判断する材料としては以下の記事が参考になります。

 

ロイター, 年内4度の利上げ決定ではない、経済動向が左右=米SF連銀総裁

 

イエレンFRB議長の後任としてサンフランシスコ連銀総裁になっているウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁が、『米サンフランシスコ(SF)地区連銀のウィリアムズ総裁は、年内4度の利上げは決定事項ではなく、国内外の経済状況によりペースは速くも遅くもなるとの考えを示した。講演後、記者団に対し述べた。経済成長が続き、コアインフレ率が安定化するとともに失業率が継続的に低下すれば、米連邦準備理事会(FRB)は今年4度の利上げを行うだろうとした。』と記者団に述べたという。

 

マーケットに対して、市場参加者の期待を過度に裏切らないようにしながら、雇用統計の非農業部門雇用者数のみで、「次回以降の利上げを判断するな」というメッセージを発信しているようにも思えます。

 

利上げの回数は4回とは決めておらず、利上げのスピードも「国内外の経済状況によりペースは速くも遅くもなる」との考えを示したことで、米国の雇用統計だけで利上げを決めていなことが伺えます。現在の懸念事項は中国経済・中国金融市場・中東情勢・原油価格だと思われます。

 

そして、次回の利上げを決める3つの条件を以下のように提示している。

 

① 持続的な成長(GDPやISM製造業景況指数、鉱工業生産等に注意)

② コアインフレ率が安定化(デフレ傾向からの脱却なので、消費者物価指数に注意)

③ 失業率の継続的な低下(雇用統計に注意)

 

国内外の経済情勢が安定していれば、上記3つ揃えばFRBはさらなる利上げに踏み切ることになると思って良いでしょう。

 


 

定点観測:

 

VIX(恐怖指数)

VIX(恐怖指数)

金価格

金価格

 


 

本日の経済指標:

 

省略

 

本日のピボット:

 

省略

 

今週も宜しくお願い申し上げます。

 

Good Duck!

Shortman

 

 

 

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