おはようございます。

 

Shortmanです。

 

『はじめまして、先月から参加させていただいています新米毒者です。最近「ドイツ銀行が危ない!」と雑誌などでも出ていますが、実際のところ破綻確率は高いのでしょうか?また破綻した場合、為替や株価はどのように動くと想定されますか?』

 

オー!

 

短刀即入、失礼、単刀直入な男子の質問が届きました!

 

事務局にめちゃくちゃ怒られそうですが、朝から大人のギャグで、社会の窓も全開で嬉しい質問ですね。

 

ドイツ銀行はいろんな意味で危ないですよ。古巣なんでよくわかります。

 

しかし、破綻確率は微妙ですね。

 

9月27日にはCDSスプレッドは250を超えてたドイツ銀行ですが、金曜日に米司法省との和解金の大幅減額報道が支援材料となり、9月29日のドイツ銀行(ムーディーズ格付・Baa2、S&P格付け・BBB+、見通し・ネガティブ)のCDSスプレッドを見てみると、225.34bpです。

ドイチェ(10月2日)

出所: CDS-5A DEUTSCHE BANK

 

 

例えば日本(ムーディーズ格付・A1、S&P格付け・A+、見通し・安定的)ですが、9月29日現在CDSスプレッドは35bpで、回収率60%だとすると、破綻確率は0.9%。一方でドイツ銀行が27日にマークした254bpに近い国は、ブラジル(ムーディーズ格付・Ba2、S&P格付け・BB、見通し・ネガティブ)でして、CDSスプレッドは269bpで、回収率60%とした場合の破綻確率はわずかに5.7%です。

 

ドイチェ2(10月2日)
出所: CDS-info

 

しかし、「わずかに」と書きましたが、日本の破綻確率の6倍以上も高いし、NOMURA(野村證券)の約3倍とかなりリスクが高いことが伺えます。

 

※直観的にわかってもらうために、参考までに数式も書いておきます。

 

CDSは、プロテクション(保証)の買い手が支払うプレミアム(保証料)である「プレミアムレグ」と、プロテクションの売り手が保証対象のクレジットイベント(信用事由:この場合は「デフォルト(破綻)」)が発生した際に支払う契約額面と回収代金との差額である「プロテクションレグ」の現在価値を交換する取引なので、プレミアムレグの現在価値とプロテクションレグの現在価値の差額が、CDS契約の現在価値となるとのこと。

 

s:1年間のCDSプレミアム、d:1年デフォルト(破綻)確率、r:デフォルトした際の回収率とあうると、CDSのプレミアムを単純化して数式に表すと以下のようになります。

 

d(1-r)=s(1-d)

 

ここから破綻確率を計算します。

 

d=s/{1-(r-s)}

 

 

大事なもとは、破綻するかどうかは誰にも分らないので、この数式で確率を出すこと事態に意味はありません。

 

リーマン・ブラザースの5年物CDSスプレッドはChapter11申請(破綻)の約半年前2008年2月には400前後でした。その3か月後の5月には半分の200前後、そして、破綻2日前の2008年9月13日には662bpまで上昇していました。Chapter11を申請してリーマンが破綻した日のCDSスプレッドの最高値はわかりませんが、その後に定まった清算価値は8.625%(単純計算で862.5bp)でした。また、リーマンの破綻を受けて、AIGのCDSスプレッドは2000近くまで上昇していたようです。そして、国に救済されましたし。また、日本のサラ金・アイフルの CDS スプレッドは、2009 年4月3日に 6,362.75bp と史上最高値をつけましたが、未だに破綻はしていません。

 

ということで、破綻するかどうかは、CDSスプレッドからは全くわからないといえば、わからないってことですね。

 

今回のケースで言うならば、破綻確率が高まれば、ドイチェは恐らくドイツ政府によって救済されるでしょうし。

 

我々にとって大事なことは、ドイチェが破綻するかどうかではなくて、破綻しそうだという噂が拡大して、株価が暴落することです。そうなれば、リスク回避モードが高まり、円が値上がり(欧州発なので、ユーロドル売りもあり)するからです。そして、そんな噂が出て騒がれ始めたら、円高(ユーロ安)へポジションを構え、救済のニュースが出たら円安(ユーロ高)へポジションを構えることができるかどうかは、毒者の精神力の問題です。

 

余計なお世話ですが、国際政治経済を利用して為替で稼ぐには、金銭的な利益を全く生まない己の感情論を一切消し去って、情勢がどうなるかを冷静に予測し、誰が損をして、誰が利益を得るのかを見極めることです。損する側を売り、利益を得る側を買う。極めて単純なゲームです。

 

ということで、仮にドイチェが破綻したら、株安・ユーロ安です。そして、円高です。その前に、ドイツ政府が救済すると思いますが、ドイチェが抱えるデリバティブズの想定元本の大きさに驚くことになるでしょう。そして、ドイツの格付けが大きく下がるので、ユーロは安値を模索することになり、その結果ドル高や円高になり、米国経済と日本経済が共に沈んでいくという・・・

 

どちらに転んでも景気の悪化は避けれないでしょう。

 

 

先週9月26日週の概況:

先週は「円安への要因は見当たらない。一方、円高の要因は事欠かない。」と分析していたが、円高への動きは鈍かった。週初の米両大統領候補のTV討論会に向けて、ポジション調整のドル売りが見られ、ドル円は100.07円まで円高が進行した。しかし、討論会ではクリキントン女史が優勢となり、100円台を割り込むことはできず、100円台後半へ。その後は戻り売りが出る中、100円台で推移。しかし、9月29日には、OPECの減産合意報道で101.84円まで円安になったが、ドイツ銀行の住宅ローン担保証券(MBS)問題で、米司法省と和解金が同行の資本金不足を招くとの懸念から、100.84円まで1円ほど急落した。9月30日に米司法省とは54億ドルで和解との報道が流れて、ドイツ銀行株が急騰し、リスク回避は一旦は後退し、再び101.75円まで上昇した。先週は100.07円~101.84円の世界レンジでの取引となった。

 

 

今週の予想レンジ:

99.50円~103.50円

 

 

今週10月3日週の予想:

先週末のドイツ銀行をめぐる和解金減額の報道で、リスク選好ムードは維持されるので、基本的には先週と同様にドル円はやや円安バイアスですが、動意は少ないかなと。10月6日から米ワシントンで行われる20カ国財務大臣・中央銀行総裁会議(G20)や、今週末の9月の米雇用統計前にドルが買われ易い。中長期的には円高継続を考えているが、短期的には欧州市場のムードの改善、FRBによる利上げの延期で株高、原油高によるリスク選好。懸念材料としては、10月4日に公表されるIMFの世界経済見通しと、先週末の米司法省とドイツ銀行の和解金をめぐる減額の報道がガセネタだった場合くらいか。少しポジションを構築する可能性も視野に入れたい。

 

 

定点観測:

 ダウとドル円

INDU(10月1日)

ドル円と米2年債利回り

USDJPY(10月1日)

ドル・インデックスと米2年債価格

USD(10月1日)

VIX

vix%ef%bc%8810%e6%9c%881%e6%97%a5%ef%bc%89

VIX:VXV

VXV(10月1日)

金価格

gold%ef%bc%8810%e6%9c%881%e6%97%a5%ef%bc%89

原油価格

WTIC(10月1日)
今週も大きな動きはないと思いますが、ニュースは円安を支持する報道が多い。しかし、IMMの通貨先物では、円高のポジションが積みあがっており、そろそろ100円割れもあるかも知れない。ゆっくり待ちましょう。

 

あっ、これはあくまでも個人的な「願望」です(^_-)

 

今週もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

Shortman

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