おはようございます。

 

Shortmanです。

 

Bloomberg, ドル・円強気派は警戒せよ、レバレッジドファンドの円売り越しが拡大

 

『シカゴマーカンタイル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)先物取引非商業部門のレバレッジドファンドのドルに対する円の売り越しは10月17日時点で8万6430枚と7月18日以来の水準に拡大した。12月の米追加利上げ見通しや衆院選での与党大勝を受けた円安期待が背景とみられる。ただ、7月は同じくらいの規模にポジションが膨らんだ後、7週間で4%近く円高が進んだ。』

 

一方で、こうした冷静な記事もございます。

 

ロイター, コラム:ドル高支える「2つの期待」の賞味期限=亀岡裕次氏

 

米利上げとタカ派的なテイラー教授という2つの期待が裏切られる理由は、亀岡氏のコラムを読めばわかるので結論だけを抜粋すると、以下の2点。

 

『以上のことから、米国の実質金利・名目金利ともに上昇余地は限定的で、米金利上昇によるドル高は続きにくいとみられる。』

 

『テイラー氏が選ばれた場合、ドル円は当初、米長期金利上昇のドル高によって上昇するだろうが、リスクオフの円高が誘発されることによって反落する可能性も高まるだろう。』

 

この見方は私と同じです。というか、ここに期待しています。さらにテイラー教授は債券再投資もルール通り減らしていくと思うので、リスクオフの可能性はさらに高まると思います。

 

さぁ、どうなるでしょうか???

 

2017年10月23日週の概況:

 

22日(日)の衆議院選挙で自公与党の大勝を受けてアベノミクス継続への期待が広がり、日経平均株価は過去最長となる16連騰を記録したことで、株高を意識した円売りの展開に。また、米上院及び下院で18年度予算案が可決されて、税制改革実現への期待が高まっていることや、FRBの次期議長にタカ派のスタンフォード大学テイラー教授が有力候補として浮上したことでドルが大きく買い戻されている。27日に公表された米7-9月期GDP(速報値)が前期比年率3.0%上昇となり市場予測よりも強かったことを受けて、ドル円は週間高値となる114.44円まで上昇した。しかし、スペインのカタルーニャ自治州議会が独立に賛成する動議を賛成多数で可決したことや、次期FRB議長候補にハト派のパウエル理事が急浮上し、ドル円の解は続かず113.67円と113円台に戻されて先週の取引を終えた。

 

今週の予想レンジ:

 

111.50円~115.50円

 

2017年10月30日週の予想:

 

ECBが出口戦略を慎重に進める姿勢を打ち出したことや、12月の米FOMCへの追加利上げの期待から今週はややドルが強含む可能性が強い。その上で10月31日と11月1日で行われるFOMCの声明に注意したいところ。11月3日は公表されるとされる次期FRB議長人事はFRBのパウエル理事とスタンフォード大学のテイラー教授のどちらかになると予想され、短期的にはパウエル理事ならやや円高へ、テイラー教授なら円安へ振れると想定されます。FRBのイエレン議長の政策の連続性を失わないためにはパウエル理事が妥当かと思われるものの、テイラー教授の可能性も否定できないので要注意。また、北朝鮮が太平洋上での水爆実験への姿勢をちらつかせており、地政学的なリスクの高まりにも注意が必要。

 

定点観測:

 

ダウとドル円


ドル円と米2年債利回り


ドル・インデックスと米10年債利回り


VIX


金価格


原油価格


Shortman’s View:

 

先週10月27日の為替日報に書いたこと再掲しておきます。

 

金融市場で起きていることをメディが報じる情報を鵜呑みにして、表面的に捉えてはいけないと常々書いています。トランプ氏が大統領に選ばれたらリスクオフで株安・円高になると報道されながら、実際は円安・株高になったことや、実際9月のFOMCで10月からFRBは保有する米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を、当初は月額最100億ドル減額し、以降は段階的に上限を増やし、いずれは月500億ドルまで引き上げると債券再投資の金額を減らしていくと声明を出しながら、実際には再投資額を増やしていた事実を記載しました。

 

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本来であればFRB(中央銀行)の金利引上げは景気後退を招き、株価下落へとつながるはずです。しかし、実際はというと、あの手この手でFRBが株式市場を支えていることがわかります。

 

FRBによる債券再投資プログラムは今月10月から縮小開始とアナウンスされていますが、過去の再投資の実施されたタイミングを示すチャートをご覧ください。

​出所:REAL INVESTMENT ADVICE, The Fed Balance Sheet Unwind Myth

 

このデータは公表されるデータから入手でき、メディアや当局のバイアスも入っていません。こうした情報の収集が、長期的な相場の分析では重要になるということは以前から毒者の皆様には伝えていますね。

 

これを見ると先週の段階で130億ドルの再投資が実施されています。

 

えっ???

 

それじゃ株価も上がるに決まっているじゃんか!!!

 

実際、9月のFOMCで以下のことが決定されています。

 

保有する米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を、2017年10月から当初は月額最100億ドル減額し、以降は段階的に上限を増やし、いずれは月500億ドルまで引き上げると。

 

そして、過去のイベントをご覧ください。

 

BREXITやトランプ大統領当選の際など、株価が下がり始めるとFRBは債券の再投資額を増やし株価の暴落を支えていることがはっきりとわかります。トランプ大統領が大統領選挙で勝利した際には、何と170億ドルもの資金が再投資に回されております。

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しかし、メディアの記者のレベルでは表面的な事象をつなぎ合わせるのが精一杯で、物事の裏側で何が起きて、どういう結果になったのかがわかる人は少ないです。これは前々から書いていますが、銀座の水割りが高いのは土地の値段が高いからだと答える理解力の乏しい奴と同じです(10月17日の為替日報に書きましたが、再掲しておきます。『銀座の水割りは銀座と言う都心の一等地の生産性を反映した価格で、銀座では値段が高い水割りを飲める人がたくさんいることを意味していて、高い水割りを飲める人が集まる結果として、銀座の水割りは高い価格でも売れるのです。そして、高い価格でも水割りが売れる(生産性が高い)ので、その結果として銀座の地価が高くなるということです。』)。

 

では、今日は毒者の皆様に考えさせるグラフをご提供しておきましょう。

 

世界中の債務総額は159兆6,070億ドル(約1京8,000兆円)で、その内政府債務は約63兆ドルあると言われています。

 

この政府債務の内訳を表現したグラフがあるので、是非ご覧ください。

出所: VISUAL CAPITALIST, $63 Trillion of World Debt in One Visualization

 

アメリカ約20兆ドル(31.8%)、日本約11.84兆ドル(18.8%)と合わせて50.4%と全体の半数以上を占めております。

 

この債務膨張は永遠には続きません。必ずどこかで破裂するでしょうね。政府の債務を日銀が保有しているので、それは相殺できるから心配要らないと無責任なことをいう人がいますが、果たして本当でしょうか?

 

そんな魔法の杖があるならなぜ世界中の中央銀行は魔法の杖を最初から使わないのでしょうか?

 

この事実を知った上で、10月27日に紹介したコラムを思い出して下さい。

 

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これは読む価値あります。

 

ロイター, コラム:財政再建を軽視する日本政治の帰結=斉藤洋二氏

 

『何より心配なのは、財政再建が後回しにされ、教育無償化などによる個人消費底上げという迂遠(うえん)な景気刺激が図られる可能性がある点だ。こうした政府の放漫な財政政策を可能としているのが日銀の低金利政策である。

 

安倍政権の再スタートに伴って政府と日銀の協調関係が堅持されることから、来年4月に任期満了を迎える黒田東彦日銀総裁の後任人事がどうなろうとも、量的金融緩和策は継続される可能性が高い。従って、日銀はこれまでと同様に長期国債の大量購入を進めることで、金利の低め誘導を継続して、国債発行コストの圧縮に貢献することになる。

 

その結果、5月に500兆円を突破した日銀の総資産はさらに膨れ上がり、早晩、日本のGDP規模を超え、日銀の財務状況や政治からの独立性に関する懸念が一段と高まっていくことが予想される。それでも政府が日銀による財政ファイナンスの甘い罠から脱することができなければ、財政運営の放漫化はさらに進み、政府・日銀はまさに二人三脚の政策運営によって「悪いインフレ」の芽をどんどん育てていくことになってしまうだろう。

 

低インフレが続く現状ではにわかに想像し難いが、これからも増税や歳出削減などの痛みを避け続けるとすれば、アベノミクスの帰結はやはりインフレによる実質的な課税と公的債務圧縮(インフレ・タックス)となるのだろうか。』

 

政治家は悪いインフレの芽を摘まないといけないのにね(^_-)

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Shortmanのレポートを読むときは以前の古いレポートも必ず読み直してください。バラバラのように見える事象でも、かなりつながりがあることがわかると思います(^_-)

 

今週もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

Good Duck!

Shortman

 

追伸、10月31日及び11月1日のレポートは移動のため配信できません。ご迷惑をお掛けしますが、ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。

 

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