おはようございます。
花粉症に苦しむShortmanです。
目が痒い、鼻水が止まらない・・・とうとう臨界点を昨夜超えてしまいました。
病院へ行かないと、数日後には喘息のような発作に襲われます。
はぁ~、最悪だ!
5日からお隣り中国で全人代(全国人民代表大会)が始まりました。
昨年、中国のGDP成長率は6.9%となり、25年ぶりの低水準な状況となり、中国経済の景気の減速は鮮明になっている。そうした中、習近平指導部は、2020年のGDPと国民所得を2010年の2倍に引き上げる目標を掲げており、そのためには「今後5年間の経済成長率は年平均6.5%以上が必要だ」としている。そのため、今回の全人代では景気対策を含めて、2020年までの新たな5か年計画の審査が行われている訳で、私たちは財政出動の規模を見極めたいと思います。
これを見ると、中国政府による大規模な財政出動が期待できます。
Bloomberg, 中国、財政政策を緩和へ-16年の経済成長率目標を6.5-7%に設定
『中国は、2016年の経済成長率目標を前年に比べて低く設定した。財政政策を緩めるとともに、肥大化した国有産業の再編を加速する方針も示した。 』
財政均衡を犠牲にしても安定した経済発展を追及することが早急に必要なんでしょう。
先週の週報で財政拡大が国民の資産を増やすことをバランスシートを用いて説明しておきました。
内容次第ではこれは良いニュースになるかも知れませんね。
前週2月29日週の概況:
先週の週報でこんなことを書きました。
『先週末のG20の声明を見ると特別大した内容はない。失望売りが出やすいとも考えられるが、とりあえずG20が開催されて、通貨戦争はしないように的な話し合いが行われたことや、米国の10-12月期のGDP改定値が予想よりも強かったことを受けて、再びFRBによる利上げ期待が生じつつあるので、それほど過激な円高は予想していないが、なんせ3月は日本の年度末ということもあり、円高に振れないとは言い切れない。円安を大きく望むような事態は期待薄だが、原油相場をにらみつつ、今週末に開催される中国の全人代で大きな財政政策の話題が出たら素直に反応した方が良い。』
全人代は3月16日まで行われるので、まだ詳細はわかりませんが、ニュースの速報等を読んでいると、中国の成長鈍化は否定できず、景気対策に期待が集まりそうですが、概ねこのような展開だったかなと思います。
一応、おさらいしておきます。
先々週末に行われたG20の声明で何ら具体的な政策が明記されずドル円は値を下げるスタートになった。人民元が元誘導され、上海総合指数も値を下げ、さらには米国時間に発表された経済指標が悪くドル円は112円台まで下落。そのまま1日の東京時間に入り、112.16円まで円高が進んだが、中国の製造業PMI指数が予想通りの内容で、日本株が値を戻したことからアジア時間、欧州時間と堅調に推移し、堅調な流れをそのままNY市場が引き継ぎ、米ISM製造業景況感指数が予想を上回ると、米国経済の先行きに対する不安が和らぎ、114円台を回復し、米ADP雇用統計が予想よりも強かったことから、ドル円は一時114.56円まで値を戻した。しかし、その後は売りに押されて113円台前半まで急落。その後は株価は堅調に推移し、ドル円は一時114円台前半に再度上昇するが、その後は上値が重い展開となり、結局113.83円で先週の取引を終了している。
少しチャートでドルの動きを確認しておきたい。
株価が堅調に推移しており、米経済指標の全体的な内容には関係なく、経済指標の良いとこ取りして株価が上昇。リスク選好な展開となるもの、FRBのよる利上げ期待の後退のせいか、週後半はドルが売られている。
ドル・インデックス
一方でドル円はというと、リスク回避一服で円安要因なのだが、輸出企業のドル売りオーダーが多いようで上値が重い。ドル円の動きが相殺されている。
ドル円
先週半ば以降、ドルは売られた(ドル・インデックス上昇)。ならばドル円で見ると円高かなと思うが、ドル円は先週はほぼ113円台で上下し、週後半は少し円安方向。これはドル・インデックスが下げている中では円高方向への動きとなるはずなので、明らかに逆行する動き。しかも、本邦輸出企業のドル売りのオーダーが出ている中でだ。原油が値を戻しているので、恐らくここらで資源国通貨や新興国通貨が買い戻されたということか。ちょっと要観察。
今週3月7日週の予想レンジ:
112円~116円
NY株式市場の株価は堅調でリスク回避は一服しているが、先週金曜日に公表された2月の米雇用統計で、雇用者数は増加し、失業率は4.9%で変わらずだが、平均時給がマイナスであったことから利上げ期待後退が後退し、ドル買いも一服。一方で、年度末を控えた円買いのオーダーもあり、114円台後半から115円台、116円台と上がれば上がるほど売り圧力が強いと予想され、円安への戻りも大きく期待できないと思います。
今週は3月10日に欧州中央銀行(ECB)の理事会が開催されます。追加緩和が期待されていますが、既に私が何度も申し上げた通り、金融政策は既に限界に来ております。既に欧州ではマイナス金利を導入しているので、その状況での量的緩和は単なる通貨安への誘導に過ぎないと思います(ユーロ安)。
また再来週ではありますが、3月14日(月)と15日(火)に日銀政策決定会合が、続く15日(火)と16日(水)に米連邦公開市場委員会(FOMC)がそれぞれ開催されます。日銀のマイナス金利は大失敗でしたんで、追加緩和による円安誘導という話題がでるかも知れません。国債の買取枠の拡大は、金融機関の保有する国債残高を減らしますが、それによる銀行の手元資金の増大が貸出には結びつかない上に、既にマイナス金利を導入していることから、金利引き下げ効果は期待できずだと思います。ただ、ETFやREITの買取枠の拡大は株価へのインパクトがあるかも知れません。
米国が通貨安政策を嫌っているので、政策期待でドル円が上昇したら売り場到来かなと思っています。
日銀の政策決定会合に続き、米FOMCが開催されます。今月どころか年内の利上げ期待も大きく後退している現状では、何ら政策への期待はできず、FOMCの声明の文面の解釈を巡る展開か。そうなると、噂で買って、事実で売るの予想。つまるとこと、勝負は来週の16日に米FOMCが終了した後に売り時がくると思います。中央銀行のスケジュールで予想すると、①ECBはユーロ安期待なので、追加緩和期待となり、ユーロ売り・円買いで円高。②日銀政策決定会合は円安期待なので、ドル買い・円売りで円安。③FRBは追加利上げの期待後退でドル売り・円買いで円高要因。これらのパワーバランスとなりますが、円高要因と円安要因が相殺し合っている感じかと思えるので、今週のドル円相場は底固い展開と見込まれます。
勝負パンツの時は今週ではないなと。
今週は日本国の財政のネタを書こうと思ったのですが、ちょっと花粉症で仕事に集中できないので、来週にさせて頂きます。
定点観測:
VIX
金価格とドル・インデックス
原油価格とドル・インデックス
Shortman’s View:
本日は財政政策について再度触れたいと思っていたのですが、花粉症がひどく病院に行かないとならなくなりました。なので勉強になるようなテーマは来週に変更させてください。
毒者の方からの質問の中で、これは他の毒者さんとシェアした方が良いかなと思えた内容のがありましたので、私からの回答と合わせて掲載させて頂きます。
~~~~~~毒者様から~~~~~~
あまり知識量がない状態なのです、どういうステップで学習をすべきでしょうか?
FXの取引をする上では、Shortmanさんのレポートのどの項目がより重要になりますか?
経済は繋がっているので、VIX、原油価格など、すべてをチェックするべきなのでしょうか?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
こうしたご質問でした。
大事なことかもし知れないので、シェアします。
大前提があります。
私は調査部出身なので、基本的には以下のような感じです。
①マクロ経済を見て、長期のトレンドを推測する(長期)。
②そのトレンドの中で相場の山谷を見極める(短期)。
③相場というゲームの世界でパワーゲームを繰り広げるPlayerの力関係を見極める。
④長・短どちらも自分に合ったテクニカル指標で、相場の現在地を確認する。
⑤ひたすら毎日同じチャートを見て、概況のニュースやPlayer達のコメントを読んで、その日の相場の動きの確認を毎日行う(東京市場でも、欧州でも、NYでも良いので)。
⑥不必要な情報や、自分のポジションに好都合な情報に翻弄されない。
私はマクロの分析をしながら、あるいはPlayer達の行動を予測しながら、相場はどの方向へ向かっているのかを確認するためにテクニカルを用いています。
マクロ経済を学ぼうとすると本が必要になります。マンキューのマクロ経済学程度の本は真剣に読んでも損はないと思います。ただ、読めば相場とマクロの関係がわかるかというと、全然わかりません。しかし、財政政策や金利や経常収支などの大まかな知識や仕組みは理解できるので、辞書代わりに1冊あっても良いかなと思います。
相場の山谷は日々のニュースで確認をしますが、ニュースに翻弄されない。そして、ニュースの中の何を読めば良いのかを知ること。特に、ニュースの中で大事なのは、相場に影響を与えるPlayer達の言動に注意すること。FRB、ECB、BOJ、BOE、中国人民銀行、OPEC、スイス中銀・・・特にFRB理事長の言動には最大限に注意すること。
私が毎日レポートに掲載しているチャートは基本5種類です。「ダウとドル円」「ドル円と米2年債利回り」「VIX(恐怖指数)とSP500」「金とドル・インデックス」「原油とドル・インデック」です。
毎日、毎時間、同じチャートを見続けていると、値動きの中に言葉では表現できない「タイミング」が出てきます。そうなる日まで見続けます。用語の知識を理解しても相場で儲けることとは何の関係もないので、教科書的な勉強はほどほどにして、これらのチャートは毎日穴が開くほど見て下さい。来る日も、来る日も、同じことを繰り返して下さい。
なんで私が1つのメインをローソク足チャートにして、もう一つ実践のチャートを入れているのかを考えてください(あるいは調べて下さい)。これは私が自分の経験で見つけただけで、私はこれで満足しています。チャート分析には様々な手法がありますが、結局相場は買うか・売るか(上がるか、下がるか)です。それを決めるには、自分なりの法則を見つけること。いくつかのできるだけシンプルに相場がわかればそれに越したことはないので。
こんなことを1年間繰り返して、自分なりの相関関係を見つけ出したり、トレードのタイミングを計る最適なテクニカル指標を見つけたり、時々みんなで会って大学院のゼミみたいなことをして、みんなで素晴らしい相場のロジックを共有して、アップグレードできれば面白いし、Shortmanの講座も卒業ということになるのではないかと思います。
お役に立てると良いですが。
今週もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
Good Duck!
Shortman
注意:
投資は自己責任です。読者の投資判断の最終決定に、我々は一切関与しません。この情報を用いて読者の方が損失を被っても、我々は一切の責任を負いません。我々はNY市場が世界の金融市場の未来を決めていると考え、NY市場を中心に分析しております。我々が用いるデータ、チャート、ニュースは、誰でもインターネットで無料で用いることができるものだけを利用して、できるだけ正確に理解し、できるだけ簡潔に、かつ、わかりやすく皆様に伝えられるように心がけております。また、個別株の分析は行いません。先物(株価指数・為替・商品・一部オプション)のトレードに必要な情報のみ提供しています。