おはようございます。
Shortmanです。
土曜日は生憎の雨の中、セミナーにお越し下さいましてありがとうございました。
いろいろ話したけど、あんまり奥深い事は話してなくて、時間の無駄になってしまった方もいるかとは思いますが、これに懲りず今後とも宜しくお願い申し上げます。
土曜日のセミナーで私が言いたかったことは、世界の中でもっとも金の亡者が集まる金融市場に、ド素人の皆様が無防備に足を踏み入れてしまうと、格好の餌食になってしまうので、金融市場に棲む魔物達の行動を正確に予測して、先回りして儲けましょうということです。
為替の取引は1日で約530兆円(参考:Bloomberg, 為替取引高が1日平均5.3兆ドルに急増、円の取引拡大-BIS )にもお呼びます。しかも金融市場の魔物達はスーパー・エリート達です。普通に勝負して勝つと思いますか?勝てる訳ないですね。
私は大学、大学院、投資銀行、ヘッジファンド・・・ずっと金融市場を眺めてきてます。
はっきりとわかったことは、「これはゲームだ」ということ。
値動きだけで儲ける人もたまにはいます(今度紹介したいと思いますが、スーパー・ゲーム好きで、東大卒)。こういう人は稀有な存在で、ほとんどの人はソフトバンクの損正義(;´д`)
だから私が大事にしているのは、ストーリー。
私の妄想はそりゃ~もう、Never Ending Storyですよ。
私が言うゲームは、ゲーム理論の方です。
金融市場に参加するPlayer達と半丁博打をするんです。マカオでバカラ賭博をするようなもんです。
Bankerが勝つか、Playerが勝つか・・・賭けます。
中には自分が勝負することで熱くなってしまって、財産を失う人がいます。
まるで素人の為替取引です。
冷静にBankerが勝つか、Playerが勝つか予測します。
ちなみに、以前も書いたのですが、私はラスベガスで税金を払ってきたことがあるくらい分析好きです。
一昨年はニュージャージーでも儲けましたよ(^_-)
誰でもできるスロット・マシン。ベガスには空港にも、ガソリンスタンドにもスロット・マシンが置いてあります。
5¢、25¢、1$、5$・・・
皆さんはどの席に座りますか?
私は1$に座ります。
Nevada Gaming Control Board スロットマシンの配当率が機種別や地区別でわかります。
5¢、25¢、1$、5$・・・掛金が上がるほど配当率が上がります(ネバダ州では88%~98%)。
しかし、1$と5$では確率にあまり差がないので、財布と相談です。
私は1$で稼いで、5$へいくか、より高額なHigh Limittに行きます。
しかも、地区により配当は異なります。
当然人がたくさん集まるベガスのStrip通りは配当率が下がり、ベガスのダウンタウンは上がりますが、ベガスとは異なるエリアのRenoだともっと上昇します。もっともRenoには行きませんが・・・同じ金額帯でも数%も配当率が変わりますので。
まぁ、そんな統計をベースに絶対的に有利な胴元の鼻を明かすのが、楽しいですからね。
ギャンブルは胴元が勝つ。
ならば胴元の行動を予測しよう・・・胴元の行動は、ギャンブルに来る人達の予測の上に成立しています。それをさらに予測して・・・
結果は私の勝ちです。
これは為替市場も同じですよ。
胴元のような圧倒的なパワーを有する国家は?
アメリカですね。
だからアメリカの中央銀行家(FRB)の行動の分析と予測は欠かせないということ。
そして、他の国の中央銀行、欧州中央銀行(ECB)や日本銀行(BOJ)、それに最近では中国人民銀行の行動が、金融市場の魔物達に及ぼす影響を考えて、市場参加者が次にどう動くのかを予測して、市場の流れる方向性を予測しましょうということです。
だからテクニカルよりもストーリーが大事です。
先週のセミナーで、どうも110円台に入ると支えられてしまう。
中国経済は時限爆弾のスイッチがオンになってはいるものの、今すぐ株式市場が暴落するようなニュースはないし、産油国は話し合いが行われるようになり明るい面があるし、期末の円買いも残り10日なので、そろそろ終わりだから、ここは一旦円安方向に戻すと思いますよと話しました。
これはテクニカル的な要素よりも、市場参加者の行動の予測がベースです。
どうだかな?
私のストーリーはこうですが、皆様の予測はどうでしょうか。
今週の予想レンジ:
108円~115円
期末の円転要因に警戒しつつ、リスク回避一服には逆らわないようにと思っています。
まぁ、そんなもんかな。
Shortman’s View:
以前、尊敬するJPモルガンの佐々木さんのロイターのコラムを紹介したが、真面目な毒者さんから良い質問が来ましたので、ここで取り上げます。
ロイター, コラム:2016年は円高へ、ドル110円も=佐々木融氏
毒者さんからの質問を太字にしました。
「日米金利差」ってどういうことですか?
水が上から下に流れるように、お金は儲からない方から儲かる方に流れます。簡単に言うと、為替レートがあ一定だと仮定すると、金利の安い国でお金を借りて、管理の高い国で運用すると、金利差分の儲けが生じるということです。
本日10時現在、日本国債(残存2年)の利回りはマイナス0.21%。米国2年債の利回りは0.87%です。
したがって、日米の金利差は、
+0.87% -(-0.21%)= +1.08%
となります。
日本円で金を調達して、米国債で運用すると、現在の為替レートのまま変化がないとすると、単純計算で1.08%の利ざやが稼げるということです。
マネースクエア・ジャパンとか知らない会社ですが、毎日金利差を更新してくれているので見ております。
日米金利差とドル円

現在は乖離が生じているので、この乖離を埋めるように、日米の金利差が縮まる(米国債利回りが低下し、円債利回りが上昇する)か、ドル円が上昇するかのどちらかです。
FRBは昨年末に利上げを実施し、今年はあと一回は利上げをする予定なので、米国債利回りが低下するとは予測できません。また、日本国債の利回りが上昇するのも難しいので、ドル円が円安方向に向かって、この乖離を埋めると予測するのが妥当です。
参考までに米独の金利差とユーロ・ドルも掲載しておきます。
あらあら見事に並行してます。
「海外直接投資・証券投資に伴う円売り」
(海外)投資をすると円売りということになる理由は何でしょうか?
海外直接投資・証券投資→どういう行動(日本人?外人?)を言うのか?
関連する円売りは減少する→何故海外に投資すると円売りなのか?何故減少するのか?
海外投資は、「現地企業に対する経営参加や支配を目的とした直接投資」と、「配当や利子の獲得のために外国の有価証券を取得する証券投資」に分けられています。
米ドルと違って、円は海外ではほとんど使い物になりません。したがって、海外投資を行う主体は、基本的に円を売って、外貨を買わないといけません(円安・ドル高)。国際的な企業の買収による子会社化や海外投信の設定などは、金額も大きくなるので、為替にある程度の影響を及ぼすと言われています。
当然、円高になれば海外企業は割安となり、買収金額が低下しますので、買収案件が増えることになります。ただ、海外の大企業の買収ともなると数年は時間がかかります。だからドル円が円高になったら、すぐに買収なんて簡単なことではないので、昨年末の125円から最近の111円台に10円以上円高になったからと言って、いきなり海外企業の買収が増えるなんてことはないです。
円高になると企業収益を悪化させると思われがちですが、日本企業も円高になると海外企業の買収が盛んに行われます。この数年は円安基調でしたので、買収案件は落ちついているかも知れませんが、円高水準に長くいれば再び買収が増えるかも知れません。
「以上のことから、来年は、経常黒字に起因する円買いが増加する一方で、海外直接投資・証券投資に関連する円売りは減少する見通しだ。つまり、日本の国際収支に反映される各種フローに起因する円高圧力は、来年さらに強まる可能性が高いと考えられる。」
経常黒字→どういう事が経常黒字というのか?どうすると経常黒字になるのしょうか?
円買いが増加する→何故経常黒字だと円買いが増加するのでしょうか?
言葉の説明よりもこの数式は覚えておいてください。
経常収支=貿易収支+サービス収支+所得収支+経常移転収支
貿易収支は輸出と輸入の差額、サービス収支は簡単に言うと日本人が海外で使うお金と外国人流行客が日本で使うお金の差額かな。所得収支は日本人の有する外貨建て資産からの収益で、経常移転収支は発展途上国への援助など。
これらの合計がプラスかマイナスかで黒字と赤字を判断している。
ちなみに、国際収支における黒字や赤字は企業の黒字・赤字と意味が違うのでご注意を!
円安で輸出額が伸びると貿易収支は黒字。超単純に考えると、日本は円でしか国内通貨は利用できないので、輸出が輸入を上回った分の金額は円を買わないと日本国内では利用できない。だから円買いとなり、円高要因になってしまいます。
ちなみに投機筋はこうした経常収支(特に貿易収支)を見て、円高円安を予測し、先回りして円買い・円売りを行っています(^_-)
ここはいろいろ書きたいのだが、時間がないので簡単に理解してもらって終わり。
今週もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
Good Duck!
Shortman
注意:
投資は自己責任です。読者の投資判断の最終決定に、我々は一切関与しません。この情報を用いて読者の方が損失を被っても、我々は一切の責任を負いません。我々はNY市場が世界の金融市場の未来を決めていると考え、NY市場を中心に分析しております。我々が用いるデータ、チャート、ニュースは、誰でもインターネットで無料で用いることができるものだけを利用して、できるだけ正確に理解し、できるだけ簡潔に、かつ、わかりやすく皆様に伝えられるように心がけております。また、個別株の分析は行いません。先物(株価指数・為替・商品・一部オプション)のトレードに必要な情報のみ提供しています。