おはようございます。
Shortmanです。
さぁ、四月本番です。
週報にはこう書きました。
『市場の多くは、期末の円買いが終わり、FRB高官のタカ派的発言から円安を期待。実際、円安方向のトレンド考えるのが良いと思う。しかし、米国の経済指標を見ると、必ずしもドル高への移行は望めない。また、期末の円転は一段落も、4月に入ってからも配当金受取(ここ数年4月の所得収支が2兆円ほど)があるので、円高圧力はまだ残る。おまけに、期初で対外投資が行われる可能性があるが、こちらは為替ヘッジ付きが多く、それほど円売りにならないかなと思う。また、利回りの高い米国債へ向かうと米国債利回りが低下して、しまい一方的な円安にもなりにくい。ということで、狭いレンジでの取引を予想している。』
市場の予想はドル高・円安ですが、私はそれに懐疑的でした。
まぁ、リスク回避とかそういう次元での円高ではなく、経済統計のテーマで円高なのかと思います。
また、イエレンFRB議長が29日にNYで講演を行った翌日のレポートにはこう書いています。
『昨夜のイエレンFRB議長の発言に関して、今の米国経済を考えると、ドル安誘導に結びつく内容だろうなと事前に理解できます。なので、私は雑魚な地区連銀総裁の利上げを正当化するノイズに反応してはいけないので、彼らの発言を無視しろと書いていた訳です。彼女が権力者ですから、彼女の言動を一番大事にしてください。そうすれば、円高になるのは赤子でもわかったと思います。
イエレン議長の発言の市場への波及メカニズム。
利上げ期待後退 ⇒ 株価・不動産価格上昇
利上げ期待後退に伴う、ドル安への誘導 ⇒ 商品価格上昇 ⇒ 原油価格上昇
これくらいは理解できるようになったと思います。
そうなると、次の一手です。
今週末の3月の米雇用統計やISM製造業景況感指数の結果がどうなろうと、利上げは当面ないというメッセージだと思われます。また、中国経済の減速リスクよりも、私が昨日指摘したように、中国の景気原則が中国が抱える不良債権問題の飛び火する方が、金融市場にはより大きなリスクだと思います。
やはり私が睨んでいるように、今年はダウンサイドへの攻撃態勢で良いのではないかなと思います(今のところね)。』
そして、雇用統計直前の4月1日のレポートにはこう書いています。
『今夜は米雇用統計が公表されます。結果はどうであれ、イエレンFRB議長が既にお話した通り、慌てて利上げなんてないですね。ただ、私は今年Big Shortにチャレンジしているので、結果だけをみようかなと思います。』
きちんとFRB議長の言動を理解すると、今回の雇用統計後の円高への動きは理解できたかと思います。
実はちょっとその辺の円高シナリオについて、今週9日(土)のセミナーでお話をしたいと思います。
では、先に3月のISM製造業景気指数や米雇用統計について書いておきます。
経済指標:
米供給管理協会(ISM)が公表した3月の米ISM製造業景況指数は51.8となり、市場予想の50.7よりも強い。好・不況の分かれ目となる50を上回った。また、前月の49.5からも回復している。主に新規受注が前月の51.5から大きく回復し、58.3となっている。これは2014年11月以来の高い水準。
米労働省が公表した3月の米非農業部門雇用者数(季調済)は前月比21.5万増となり、市場予想の20.5万人増よりも強い。一方で、失業率は5%に上昇。
Shortman’s View ①:
ISM製造業景況指数は予想よりも強く、好・不況の分かれ目となる50を超えたことは驚き。当然ドル高方向への動きになる。米製造業が回復しているとすると、米国経済は予想以上に強いと思えるが、正直、これ一回だけでは判断できない。また、今回の雇用統計で注目は、平均時給が増加したことでした。平均時給が増加する一方で、失業率が増加ということは、労働市場はほぼ完全雇用状態と言えるでしょう。つまり、ここから労働市場の回復は期待できないので、頭打ち。市場の関心は平均賃金と失業率に移行すると思っています。また、今回は事前にNYでイエレンFRB議長が世界経済の状況を考慮して、市場の過度な利上げ期待に対して、釘を刺していたこともあり、3月の米雇用統計が出た後、為替はドル安方向へ向かいました。結局、終わってみれば円高なので、ドル売りの勢力が優ったということ。
前週3月28日週の概況:
先週は金曜日に3月の米雇用統計が公表されて112円のレンジを下へ抜けて円高になったが、ほぼ想定通り狭いレンジ(111.60円~113.80円)での取引となった。3月29日にNYでイエレン米FRB議長が過度な利上げ期待に釘を刺したことから、ドル安の流れが継続している。3月の期末の円買いも一段落している状況で、3月30日発表の3月米ADP雇用統計や4月1日発表の3月米雇用統計は、いずれも労働市場の改善を示し、市場予想を上回る強い内容だったが、早期利上げに結びつく材料にならず、ドルは売られた。
今週の予想レンジ:
110円~113円
今週4月4日週の予想:
イエレンFRB議長が早期の利上げ期待に釘を刺している状況で、6日には政策金利の据え置きを決めた前回3月のFOMC議事録が公表される。早期の追加利上げに慎重な姿勢が確認されるような内容だった場合、ややドル売り・円買いが加速する可能性もある。ただ、新年度に入り、日本の海外証券投資が行われ始めるので、円売り圧力もあり、一方通行の円高を抑制する可能性もある。なので、前週に引き続き狭いレンジの取引を想定。但し、やや円高にバイアスを置いている。
どうだかな・・・、
定点観測:
ダウとドル円
ドル円と米2年債利回り
VIX
金価格とドル・インデックス
原油価格とドル・インデックス
遅かれ早かれこの相場の嘘は崩壊する・・・
Shortman’s View ②:
何度も言うように、まとまらないって・・・
ロイター, 増産凍結、イラン参加ならサウジも参加する=ムハンマド副皇太子
イラン不参加なら・・・って、両国はまだ国交断絶状態だろって。それに、自分達だけ原油産出しておいて、イランには抑えろって馬鹿な話は筋が通らないしね。
そもそもサウジの原油採掘コストは数ドルなんだから値下がりしても怖くないし、サウジが気に入らないのは、米シェール企業だから、ロシアみたいな893な国がボロボロになろうと、関係無い。そもそも原油価格や資源価格が下落したら経済が成り立たないなんて新興国は、黙ってBig Shortの対象だ!
おまけ・・・
VIXvsVXV
まぁ、もうすぐだよ。きっと、たぶん・・・(;´д`)
今週もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
Shortman
注意:
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