おはようございます。
Shortmanです。
トランプ大統領はやはり私の予想通り、破壊者モード全開ですね!
選挙前からメキシコとの間の壁を作るという公約を掲げてましたが、本気で壁作るようで。
ロイター, メキシコ国境沿いに壁建設、トランプ氏が大統領令署名
大統領選挙に勝利すると、中国へ先制パンチを一発。
ロイター, 焦点:トランプ氏が仕掛ける中国試し、「台湾カード」の危険性
そして、中東の一部地域からの入国制限を開始。
ロイター, 米大統領が難民など入国制限、全米で混乱 法的対抗措置も
『難民を120日間、シリアからの難民は無期限、イラン・イラク・リビア・ソマリア・スーダン・シリア・イエメン市民の入国は90日間禁止する大統領令に署名した。』
そんなことしながら、さらに世界を不安定化させるようなことを考えているらしい。
ロイター, トランプ氏、エルサレムをイスラエルの首都と認めると首相に約束
トランプ大統領の側近である娘婿はユダヤ人で、娘さんは結婚後にユダヤ教へ改宗しているらしい。縁故か!今後アメリカではテロが頻発するんだろうなとか、アメリカ人が多い場所でもテロが起こりそうだとか、イスラエルへのテロ攻撃も頻発しそうだとか、心配になるようなことをいろいろと想像してしまいました。
70歳のワンマン社長。世界を知らずにNYが世界だと錯覚しており、その自分の頭の中の世界の全てを自分が好きな用意できると勘違いしている白人アメリカ人男性。彼が若かりし頃の白人の地位を戻したいだけだろう。
こうした彼の言動が市場に不安定化と不確実性をもたらし、市場はリスク・オンになりきれず、コロコロと谷底へと落ちていくことを危惧する今日この頃、皆さんはいかがお過ごしですか?
先週2017年1月23日週の概況:
週初はトランプ米大統領がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)からの離脱をする大統領令に署名し、ドル売り・円買いが進行。24日は、トランプ大統領主催の製造業幹部との朝食会で、大規模な減税や規制緩和の方針が示されたことを好感して、一時ドルの買い戻しがあったが、ムニューチン次期米財務長官が、「過度に強いドルは短期的にマイナスの可能性」と米上院議員からの質問に書簡で回答したことが報じられて、ドル売り・円買いの流れが加速し、114.08円まで上昇していたドル円は112.65円まで下落した。翌25日自動車大手3社との会談を行い、米国内への工場建設を増やすように促したことや、カナダからメキシコへの原油輸送のためのパイプラインの建設促進へ向けた大統領令に署名したことを受けて、規制緩和、インフラ投資の拡大、雇用の創出などが期待されドル買い・円売りの展開となり、113.89円まで上昇した。26日になるとトランプ政権の掲げる経済・財政政策への期待からのダウは2万ドルを突破し、リスク選好のドル買いの展開となるが、114円までトランプ政権側のドル高牽制を嫌気して再び113円代前半になるも、その後は株高を背景にしたリスク選好でドルが買われ、一時114.89円まで上昇。27日は10-12月期の米GDP(速報値)や12月の米耐久財受注(速報値)が予想を下回って、ドル売りが優勢となったが、米1月ミシガン大消費者信頼感指数確報値が13年ぶりの高水準に達したことでドル買いへ、さらにはトランプ大統領とメキシコの大統領が電話会談を行ったことで、米国とメキシコの関係悪化懸念が緩和したためドル買いが加速し、一時115.37円まで上昇して、115.06円で取引を終えている。
今週の予想:
112.50円~116.50円
今週2017年1月30日週の予想:
本日1月30日と明日31で日銀の政策決定会合が開催されるが、政策変更は無し。また、日1月31日・2月1日に今年最初のFOMCが行われる予定ですが、3月の利上げの可能性を示唆する可能性があるので、日米金利差からのドル買いが加速する可能性があるので、注意が必要。減税、公共投資、規制緩和等は景気を景気を回復させるので、株高要因であり、リスク選好からのドル買いを促す。さらには、利回りの上昇もドル買いを促すのだが、トランプ大統領の通商問題に関する保護主義的な発言や、メキシコや中東への言動のもたらす不確実性や不安定性がリスク回避要因となっており、ドル円相場だけも見る限りは円安方向へは大きく進んでいない。徐々にトランプ大統領の政策の中身がわかりつつあるが、先週と同様に、トランプ氏のTwitterでの発言、トランプ政権高官の発言、FRB高官の発言、英国のハードブリグジット関連のニュース、原油相場などの動向に注意しておきた。依然として様子見ムードが強く、レンジは先週と同じレンジを想定します。
定点観測:
ダウとドル円
ドル円と米2年債利回り
ドル・インデックスと米2年債価格
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VIX
金価格
原油価格
Shortman’s View:
たまたま、宇沢先生のお弟子さんであるノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツ氏の記事を読んで昔を思い出した。
東洋経済, 伝説の経済学者「宇沢弘文」を知っていますか スティグリッツが師と仰ぐ日本の「哲人」とは
この記事の最後の方にこんなことが書いてある。
『私たちはどのような社会を作り、どのような人になりたいのか、よく考えなければなりません。私たちは本当に、経済学に出てくる自己中心的な「ホモ・エコノミクス(経済人)」になりたいのでしょうか。これはこれから経済学を勉強しようとしている人たちへの警告になるかもしれませんが、少なくともアメリカに限っていえば、経済学を学んだ学生は、学ばなかった学生よりもより自己中心的になるという研究結果があります。この結果が日本に当てはまるかどうかはわかりませんが、学ぶ内容が人格形成に影響するということを示しています。仕事の内容が人格に影響するという別の研究もあります。ですから、銀行業界で働く人はそうでない人よりも自己中心的になるのです。銀行に勤めている人をつかまえて、「あなたは銀行家ですよ」と言ってあげれば、その人はより一層自己中心的に振る舞うようになるということです。
学んだことや仕事の内容が人格形成に影響するということは、多くの実験から明らかです。そのことが強化されていくプロセスまであるのです。自己中心的な人が多いほど、また政策が彼らの行動を助長するのであれば、より多くの自己中心的な人々があふれ出すというプロセスです。これがアメリカにこれまで根づいてきた力学であり、また私たちが壊そうとしている力学でもあるのです。』
トランプ大統領の性格もまた同じようにして生み出されたのだなと感じる。
この記事を読んでいたら、若い頃を思い出して、宇沢先生に指導を受けた楽しかった大学院時代の一時期を思い出した(お酒を飲んで議論する・・・www)。
「宇沢先生が生きていたらトランプ政権をどう思うだろうか?「
このことをこの週末考えていた。
私は大学院時代に宇沢 弘文先生にとてもお世話になった。数学的なモデルの導出よりも、人としてのあるべき姿を経済学でどう表現するのかに人生の情熱を捧げていた印象を持っています。宇沢先生はお亡くなりになるまでTPPに猛烈に反対し、市場主義的な経済学を批判し続けていた(私は日本がアメリカの植民地だという言い方をするが、宇沢先生は本当にそう考えていた方でした)。そんな宇沢先生はどう考えるのかを知りたく、かつ、悩み事が多いのであまり頭を使わなかうて済む以下の本を読んだ。
宇沢弘文・岩橋克人「始まっている未来」(岩波書店, 2009年)
宇沢先生がトランプ大統領どう思うかはわからないが、この本を読むと今のトランプ政権の誕生をとても心配しているだろうなと思う。
経済成長もした、物質的にも、貨幣的にも豊かになった。優秀な経済学者も誕生している現代社会・・・のはずなのに、格差社会が消えず、トランプ大統領が誕生してしまう社会って何なんだろう?彼を選んでしまう人間って何なんだろう?我々はどう生きたら良いのだろう?相場とは全く関係ないことをいろいろと考えた週末でした。
最後に、宇沢先生のお弟子さんであるスティグリッツ教授のこの記事を最後に掲載しておこう。
東洋経済, スティグリッツ氏警告「トランプは危険人物」 「米国経済がトラブルに陥るリスクは高い」
今週も宜しくお願い申し上げます。
Good Duck!
Shortman