おはようございます。
Shortmanです。
超簡単なんですが、最近のドル円相場を動かす要因分析をします。
ドル高要因
トランプ政権の打ち出している財政政策・規制緩和
FRBの利上げ
ドル安要因
トランプ政権の保護主義色の濃い通商・外交政策
トランプ政権の対米貿易収支黒字国への通貨安批判
これらの要因のパワーバランスで、ドル円は上へ下への動きを繰り返していると考えられます。
ドル円相場に影響を与える要因を見極めた上で、現状の我々の対策としては以下のことに注意したい。
① トランプ大統領のTwitterによる発言に注意
② トランプ政権の具体的な経済政策の内容
③ 日米首脳会談の内容の把握
④ 日米金利差の動向とFRBの景気・利上見通し
⑤ トランプ政権の通商・外交政策(特に安全保障と移民政策)
大きな流れとして、財政政策と規制緩和は短期的には景気を上向かせるので、ドル高要因ですが、長期的にはスタグフレーションに陥る可能性もあるので、景気停滞で物価高という事態が懸念され、それを避けるためにFRBが利上げをして、高金利でさらにドル高になる危険性があります。あくまでも長期的な危険性です。
それをトランプ大統領や政権高官が口先介入して、ドル安へ誘導しようとしていますが、この効果がどこまで持続するのかは不明です。ただ、ドル安誘導への口先介入と同時に、保護主義色を強める可能性もあり、その場合の効果は判断が難しい。例えば、国境税等はドル高要因と思える一方で、移民を制限するような政策はドル安要因と言う具合に、簡単には判断できないです。
2017年1月30日週の概況:
トランプ大統領の減税やインフラ投資、規制緩和等の政策への期待感が依然として強い中、ドル円は先週の終値とほぼ変わらない115.08円でスタートして、一時115.13円まで上昇した。しかし、イスラム圏7カ国からの入国を禁止する大統領令に署名し、トランプ大統領が入国制限に反対の米司法長官代行を解任したことや、トランプ大統領が対米貿易黒字国の中国、日本、ドイツ等を名指しで通貨安誘導していると批判したことを受けて、ドルが売られる展開となり、ドル円は112.04円まで下落した。その後は移民政策を巡る報道やデモの報道に左右され、112円前半と113円後半の狭いレンジでの取引となった。3日金曜日には1月の米雇用統計が公表され、非農業部門雇用者数が前月比22.7万人増となり、市場予想よりも強かったが、失業率が4.8%に上昇したことや、平均時間給の伸びが前年比2.5%上昇に鈍化したことでインフレ期待が後退して、ドル円は112.61円で取引を終えた。
今週のドル円予想:
111円~114円
2017年2月6日週の予想:
トランプ政権の財政政策・規制緩和へ期待はドル高要因に対して、トランプ政権の強硬的な外交・通商政策に伴う不安定化と不確実性のドル安要因。さらには、通貨安批判という口先介入のドル安要因の力関係で、相場はやや下値を探りつつ、先週同様にレンジ内で上下すると想定しています。トランプ政権の具体的な政策内容が判明するまでは、ドル円は下へも、上にも行き難い印象を受けます。ただし、財政政策の詳細次第で、ドル高か、ドル安化の流れが見え始めるので、政策内容には最新の注意を払いましょう。また、10日に予定されている日米首脳会談の席で、為替レートや日銀の金融政策、日米安保に関する話題が出た際には要注意です。
定点観測:
ダウとドル円
ドル円と米2年債利回り
ドル・インデックスと米2年債価格
VIX
金価格
原油価格
Shortman’s View:
日銀の黒田総裁の採用した政策は全て無駄に終わってしまった・・・という印象を受けているのですが、少しは触れておきたいテーマなので、生贄にさせて頂きます。
ロイター, YCCは財政ファイナンスでない、物価2%を早期に実現=日銀総裁
『黒田東彦日銀総裁は3日の衆院予算委員会で、日銀が推進しているイールドカーブ・コントロール(YCC)政策は2%の物価目標の早期実現が目的であり、「政府による財政資金の調達を手助けを目的とする財政ファイナンスではない」と強調した。』
仮に黒田総裁が、財政の穴埋めを目的として日銀が打出の小槌になってマネーを政府へ供給する財政ファイナンスをしているのだと答えたら、その瞬間から日本国債と日本円は信頼を失い暴落するでしょう。そんなことは百も承知なので、黒田総裁を初めとして日銀関係者が財政ファイナンスだとは答える訳がないのです。そんな幼稚園児でもわかりそうなレベルのことを国会で議論しているのかと思うと、やはりレベルが低過ぎるなと感じてしまいます。
確かに財務省出身の元官僚が日銀総裁になって、約1,000兆円もの国債の内の400兆円近くを日銀で保有しているとなると、例え日銀が金融緩和政策の手段として市中銀行から国債を買い入れて、市場に資金を供給しているとしても、実は財政ファイナンスなんではないかと勘繰りたくもなるのです。
でも、日銀の国債の購入は、基本的にデフレ脱却の為の金融緩和手段として行っていたのであり、黒田日銀総裁が財政ファイナンスではないと発言し、さらには、政府が財政再建をしているという姿勢を見せていれば、日本国債の信頼が落ちることは当面はないだろうと思います。
まぁ、日本国債の信用は今のところこんな簡単なお墨付きで保たれるという。恐らく、まだまだ日本には増税の余地が大きいということが背景にはあると思います。その余地も消えてくると、今のように円の価値が保たれるかどうかは疑問です。
個人的には、財政ファイナンスを意図してるとは思っていません。日銀は単純にデフレ脱却を目的として、そのために金融緩和策の一環として、量的緩和を継続してきたと思います。もちろん結果は皆さんがご存知の通り、日銀の国債保有残高が増大して、かつ、物価はほとんど上がらなかった・・・
今週も宜しくお願い申し上げます。
Good Duck!
Shortman
おまけ・・・
相場には関係ない話題ですが、日米首脳会談を前に個人的なつぶやきです。
日本はアメリカの植民地だから、結局脅かされて金を取られるという。日本はいつ真の独立を達成するのであろうか・・・
ロイター, 4500億ドルの市場・70万人の雇用創出効果、米に表明へ=政府筋
『政府が日米首脳会談に向けて作成を進めている「日米成長雇用イニシアチブ」の中に、米国内におけるインフラ投資で4500億ドル(約51兆円)の市場創出効果があり、70万人の雇用を生み出すと明記されることがわかった。政府筋が明らかにした。
同イニシアチブは、日米首脳会談でトランプ米大統領に示される。巨額投資を進める資金に関しては「日本のファイナンス(資金)力を最大限に活用する」と明記される。
この部分に関しては、口頭で外国為替資金特別会計の資金活用も念頭にあることを説明する。』
51兆円の市場規模で70万人しか雇用が生み出せないのかと疑問に思いつつも、私はこの記事に激しい憤りを感じている。どうも総資産額が約144兆円もある「外為特会」を使うらしい。日本の子どもの6人に1人が貧困状態だというのに、他国の為にお金を渡すという意味不明な政治家達。政治家とは命を懸けて国民の為に、戦うべき時は戦わなくてはならないと思う今日この頃。その余剰資金をどうか日本の子供達に活用して欲しいものだ。