おはようございます。
Shortmanです。
週末のフランスの大統領選挙に関しては事前予想通りなので、特に注意事項は無いですが、先週から110.50円では瓜の漬物を仕込むのが面白いと言っていた水準まで上昇し、そこからはやはり瓜が多いみたいです。
今はフランスの選挙の問題以上に、アメリカの財政問題で注目すべきことが多く、このニュースはそれほどのインパクトを持たないと思いレポートではほとんど取り上げておりません。実際、この週末に関して言えば、アメリカの予算に関連する話題が沢山流れてきております。
このニュースが出てドル円は下値攻めから買戻しへ。
『ムニューシン米財務長官は20日、税制改革案を近く発表すると言明した。また医療保険制度の見直しの行方にかかわらず、税制改革法案は議会で承認される見込みとした。
長官は、税制改革案の公表時期について「もうまもなくだ」と語った。改革案は「抜本的かつ有意義で、大幅な経済成長をもたらすだろう」としたが、詳細には触れなかった。』
続いてこのトランプ大統領のTwitterからでした。
ロイター, 税制改革巡り来週26日に大きな発表行う=トランプ米大統領
『トランプ米大統領は21日、来週26日に税制改革に関して大きな発表を行うと明らかにした。
これに先立ち、大統領はAP通信とのインタビューで、個人および法人向けの「大規模な減税」を盛り込んだ税制改革案を来週公表すると述べていた。
APによると、大統領は詳細には踏み込まなかったが、減税規模は過去最大との見方を示した。公表時期については就任100日を迎える直前の「来週26日かその後すぐ」としていた。』(太字はShortman)
出来るかどうかはわかりませんが、「政策に売り無し」という格言もあるし、「噂で買って事実で売る」というスタンスも大事なので、一度手仕舞いかなと感じ、この記事を読んで私の大学院生向けにつぶやきました。
『基本的に放置していますが、随分と無理をして税制改革案を早期に公表するのだなと思いますが、予算の計算が不透明なままで議会を通るのか?私はこのまま放置する予定ですが、大学院の皆様は何が発表されるかわからないので、一度手仕舞いして様子見して、公表後に再度ポジションを構築するのが良いのではないかと思っています。』
しかし、フランスの選挙の結果が出ていきなり110.50円まで来たので、ここは瓜の漬物でしょうと思いました。もちろん、このつぶやきも選挙のことには触れておりません。
フランスの選挙の結果は短期的なイベントで相場が上下するだけの話です。そんな話題に右往左往していては、長期の運用はできません。
注目すべきは4月29日に大統領就任100日を迎えるトランプ大統領が、選挙前に公約として掲げ、NY株高を演出してきた減税策を提出できるのかどうかです。8月でも難しいと言われていましたが、突然に今週提出されるという事態になりました。
政府予算を提出できるのかどうか甚だ疑問です。
トランプ大統領は大規模な減税を掲げていますが、そもそもオバマケアを廃案にして予算を確保する予定でしたが、それに失敗しているにもかかわらず、どこに予算があるのであろうか?そして、インフラ投資の財源はどうするつもりであろうか?
4月28日には一部政府サービスが停止する状態に陥る可能性が高く、議会や野党・民主党と関係が構築できない状態で、財源確保に向けてどう政権を運営するのか非常に注視しています。
つづきはShortman’s Viewで・・・
2017年4月17日の概況:
先週は116.50円から110.50円を予想していたが、結果は108.11円から109.48円であった。先々週16日(日)に北朝鮮がミサイルを発射したことから地政学リスクが意識され月曜日に108.11円まで下落。しかし、その水準ではムニューチン米財務長官の「強いドルは長期的には良いこと」といういつもの発言で買戻しが入り、109円を回復。税制改革案が8月後半にずれこむとの報道もあり、108円台へ落ち込むも、ムニューシン米財務長官が早期に税制改革案を打ち出せると発言したことでドルが買い戻され、109.48円まで上昇した。
今週の予想レンジ:
106.50円~110.50円
2017年4月24日週の予想:
今週は週末のフランス大統領選挙の結果を受け、110.50円からのスタートだがその後は下げを予想。今週末4月29日(土)にトランプ大統領は就任から100日目を迎え、大幅減税を含む税制改革案を公表するとのことで、上振れする可能性もありますが、その前の4月28日(金)には2016年10月から2017年7月までの暫定予算の期日を迎えます。政府サービスの一時停止リスクが懸念される中、トランプ政権がオバマケアの代替法案を通し新たな予算案の承認を得られるのかどうか不確実性が高いと考えています。また、4月25日(火)には北朝鮮の人民軍設立85周年を迎え、核実験やミサイルを発射する懸念があり、地政学リスクが依然として残っていることから、今週のドル円も先週と同じレンジを想定しております。
定点観測:
ダウとドル円
ドル円と米2年債利回り
ドル・インデックスと米10年債利回り
VIX
金価格
原油価格
Shortman’s View:
相場を占う上で要人発言を時系列で把握しておくことは非常に重要です。ここ数日のあわただしい動きを整理しておきましょう(日付は日本語版が公表された日時順)。
4月22日
ロイター, 税制改革巡り来週26日に大きな発表行う=トランプ米大統領
『トランプ米大統領は21日、来週26日に税制改革に関して大きな発表を行うと明らかにした。』
えっ、8月かと思いきや・・・
4月23日
Bloomberg, 米大統領は政府閉鎖回避に自信-省庁は閉鎖の可能性で準備開始
『ホワイトハウスは21日、政府機関閉鎖の可能性で省庁に準備を命じた。トランプ米大統領は29日以降の政府機関の業務継続に必要な予算を求めている。』
しかし、債務上限問題があって4月28日までの予算しかないので、29日以降は政府サービスが一部機能しなくなり始める可能性がある。。
4月24日
Bloomberg, トランプ米政権:オバマケア代替法案の週内の下院採決目指す
『トランプ米政権は医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案について、議会下院での週内採決を引き続き目指す方針だ。トランプ大統領は23日、オバマケアが「深刻な問題」を抱えていると指摘した。』
『下院議員は25日、イースターに伴う休会から戻り、28日以後の連邦政府機関閉鎖を回避するための法案の審議に集中的に取り組む見通しだ。ただマルバニー局長は、下院が今週ヘルスケア法案を採決できない「構造的理由」は見当たらないと語った。』
それを解決しようとしているようだが・・・
ロイター, 米大統領、26日発表の税制改革案で包括的指針説明=政府高官
『米政府高官は22日、トランプ大統領が発表する税制改革案について、包括的な指針や優先事項を含む内容になると明らかにした。』
しかし、議会・民主党との関係は最悪なので、正直いろいろ難しそうだ。
Bloomberg, 米政府、「国境の壁」予算で民主党と対決姿勢-政府閉鎖懸念の中
『ホワイトハウスは歳出法案に盛り込まれるメキシコ国境の壁建設計画の資金を巡り、議会民主党との対決も辞さない構えのようだ。しかし民主党と衝突すれば、歳出法案は可決されず、週末に連邦政府機関が閉鎖に追い込まれる可能性が高まりかねない。』
しかも、減税策の完全な内容は早くても6月ということか・・・
Bloomberg, 米トランプ政権の税制計画、詳細整うのは恐らく6月-OMB局長
『米行政管理予算局(OMB)のマルバニー局長は23日、ホワイトハウスが税制計画に関する具体的な指針を今週提示することを明らかにした。それには新たな税率に関する案も含まれるが、完全な形の提案の準備が整うのは恐らく6月になるという。』
オバマケア廃案と予算承認が通るのか否かで、28日以降の政府機関の一部閉鎖が生じるのかどうかがわるが、税制改革案の完全なバージョンは6月になるという・・・www
フランス大統領選挙の結果がどうなろうがアメリカの予算の問題に比べたら取るに足らない問題だと思っています。
それよりも、このニュースは将来を占う上で重要だと思う。
Bloomberg, ヘッジファンドの金買い越しが増加-ドル沈没なら「救命ボート」に
これはShortmanが以前から言い続けてきたこと。
そして、ヘッジファンドはドルの暴落に賭けているようだ(^_-)
Gold Duck!
Shortman