おはようございます。
Shortmanです。
最近ちょっとドル円が動き出してきましたね。
トランプ大統領がダンピング対策で関税強化。
保護主義懸念で円高へ。
ムニューチン米財務長官がドル安を歓迎する発言をして、今回の急 激なドル安が進行。
ロイター, 弱いドルは米国にとって良いこと=ムニューシン米財務長官
その後はトランプ大統領が強いドルを支持する発言。
一瞬で1円20銭も円安に。
しかし、今度はダボス会議で日銀の黒田総裁が日本経済は緩やかな ペースで成長しており、インフレ期待はやや上向いているとの認識 を示した。
トランプ大統領の口先介入で一度は109円台を回復したドル円で したが、再び108円台前半へ戻されるという。
もちろんこちらも黙ってはいません。
三つ巴の為替戦争が勃発するとかしないとか。
アメリカは対ユーロでのドル安を希望。日本は植民地なのでアメリ カ様には逆らえず。日本は欧州との取引はそれほどないのと、ユー ロドルの上昇と円の上昇でユーロ円の影響は軽微。したがって、 日銀は緩和政策を維持するスタンスを見せながら、出口戦略を少し に負わせてドル安へ誘導して、アメリカへ援護射撃をしているとも 考えられる。
まぁ、下衆の勘繰りですがね。
今後がますます楽しみになってきました(^_-)
2018年1月22日週の為替概況:
1月22日週のドル円は、19日以降閉鎖が継続していたことから 110円台前半まで下落した。その後の2月8日までの暫定予算案 が可決されるとドル円は買い戻され、週間高値トなる111.22 円まで上昇した。しかし、23日にかけて開催された日銀の金融政 策決定会合で、現行の金融政策が維持されたほか、物価安定目標( 2%)の達成時期も 19年度頃とする前回の見通しのままであった。黒田総裁は記者会 見で、長期国債の買いオペの運営は、金融正常化策に向けた動きで はないとと強調し、現状の緩和策を粘り強く継続する姿勢を示した が、こうした効果は一時的なもに留まった。また、ムニューチン米 財務長官が24 日にダボス会議の記者会見で、「貿易に関して言えば、ドル安はい いことだ」と 発言したことでドル安に拍車が掛かり、25 日には一時 108.50円と昨年 9 月以来の安値圏に。その後トランプ大統領が強いドルを支持したこ とからドルが買い戻され、109円台を回復するも、26日に日銀 の黒田総裁がダボス会議で、日本が物価目標に近づきつつあるとの 認識を示したのを受け、日銀が金融緩和の縮小に動くとの思惑が広 がり、再び円高へ。26日のNY時間にはドル円は値を下げ108 .27円まで円高が進行した。
ドル円の実際のレンジ:
108.27円1~111.22円
2018年1月29日週のドル円予想:
1月30日(火)・31日(水)で今年最初のFOMCが開催され ます。イエレンFRB議長が最後の議長を務める会議ですが、政策 金利の変更は予想されておらず、3月のFOMCでの利上げに向け ての地ならしになるかなと思います。 各国中銀が金融正常化へ向けて動く中、ドル安の基調に変化は見え にくいと思われます。
ドル円の予想レンジ:
107.00円~110.00円
定点観測:
ダウとドル円
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ドル円と米2年債利回り
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ドル・インデックスと米10年債利回り
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VIX
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金価格
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原油価格
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Shortman’s view:
私は仮想通貨の専門家ではないですが、大学・大学院で金融論を長 いこと研究してきましたが、理論的な背景が乏しいのと、 金儲けにならないので、貨幣の本質的な価値に関して専門に研究し たことはありません。
なのであまり詳しい議論はできませんが、紀元前6000年から貨 幣として存在している金と比べても、現在の国の債務( すなわち国民からの税金)を裏付けとして発行する中央銀行券と比 較しても、仮想通貨はやはり通貨と呼ぶには相応しくない商品だな と思います。
先週は日本で事件が起きました。
(ノ∀`)アチャー
取引所のセキュリティの脆弱性は既に分かっていたことなんですが ・・・
あまりにも杜撰ですね。
知り合いの弁護士に電話をしたら開口一番「コインチェックでやら れたの?(笑)」でした…(^^;
きっと関係する投資家の方々は青色吐息でしょうね。
私は桃色寝息ですけど(^_-)
『仮想通貨取引所運営大手の一つであるコインチェック(東京都渋 谷区)は28日、不正流出した仮想通貨「NEM(ネム)」を保有 する約26万人全員に日本円で返金すると発表した。総額は約46 3億円となる見込み。返済原資は自己資金としているが、補償時期 や手続きの方法は現在検討中。』
本当に返せるのかな?
まぁ、元が仮想通貨だけに返金計画も仮想なんだろうな・・・ご愁 傷様です。
さて、仮想通貨に関して毒者の方からご質問を頂戴しました。
私の個人的な見解はいつも書いていますが、仮想通貨は電子版の子 供銀行券か地域商品券。
まぁ、交通系ICカードの方がはるかに仮想通貨より優れていると 思うので、
もうちょっとブロックチェーン技術は何か使えるのかも知れないけ ど、仮想通貨は通貨って名前の付いた仮想商品です。
ではご質問を紹介しておきます。
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ビットコインがなぜ値上がりするのかについて考えていました。
値上がりする理由(価値)がどうしてもわからないからです。
私の下記の箇条書きにした認識が間違っているのか?自分としては 基本的には合っていると思うのですが・・・?
そこのところを教えてほしいです。
〇まず現状の通貨についての自分の認識は
貨幣(通貨)はものとモノの交換手段である。いかえれば決済手段 である。
貨幣の中に売ったモノの価値が一時的に貯蔵されている。
人々が貨幣を通してモノの交換(売買)をするには、貨幣の価値が 変わってはならない。
ただ時間とともに貨幣の価値は少しずつ変わってくる。また国家間 の通貨価値の差異も調整される(為替取引)。
通貨の価値は国家によって強制力をもって決定される。国力が弱ま ってくると価値も・・・超インフレ。
〇ひるがえって仮想通貨(ビットコイン)は
ビットコインは決済手段である。(サトシナカモトもそう言ってい る。)
決済手段であるなら微調整の変動はあってもいいが、大きく変わっ てはならない。
数年で何十倍にも変化するビットコインは交換手段としての通貨の 価値があるか疑問である。
値上り容認派というか積極派は、ビットコインが有限であるから値 上りする価値があるという。
確かにビットコインは有限であるが、仮想通貨の決済手段としては ビットコインである必要もない。
ブロックチェーンを用いた他の通貨を創作すればよいだけ。1種で は有限の各種仮想通貨が無限につくれる。
金(キン)は物としての希少価値があるが、ビットコインには決済 手段以上の価値はないと私には思える。(実体としての価値は決済 手段だけ)しかし、これだけ変動すると実質的には決済手段として 怖くて使えない。
決済手段としての価値しかないビットコインが、決済機能を発揮で きないとなるとどのような価値があるのか?何もない?
だれがビットコインの価値を決めるのか?市場が決めるのがビット コインではあるが・・・一体何ビットコインで鉄と交換するのか。 。
現状の仮想通貨を各国が容認しているのは、仮想通貨が一部で使用 されているだけなので実験として眺めている部分もあると思う。
ビットコインが国の通貨にとって代わるのを国家が容認するとは思 えない。国の通貨が今後ブロックチェーンを用いたものに変容して いくことはあるかもしれないとは思うが・・・。
・ビットコイン(仮想通貨総体)のブロックチェーン技術は画期的 なものであると思うが、値上りするような代物かどうか???
私には疑問だらけです。
(追伸)
・10月頃のCOMSAの募集には予約申し込みはしましたが、( 募集主体は有力企業ばかりでしたが)よく解らなかったので振込は しませんでした。
ビットコイン他に変えなければならなかったし、無くなってもいい 金は持ってないし。
12月には2倍になったというアナウンスがあったようですが。
・ビットコイン自体の投資も疑問はあったが、皆が踊るときは踊ら にゃ損々とも思いましたが、どこで天井になるかと思うと踏み切れ ませんでした。
それにしてもCMEに上場となって2日後から暴落開始とは思いま せんでしたが。1月から徐々に下落かと思ってました。
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非常に冷静に分析(分類)されていて、わかりやすく比較できます ね。
そして、結論の方向性も正しいと思うので、私の方で解説する必要 もないのですが、補足的に書かせて頂きました。
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ご質問ありがとうございます。
先日のセミナーでもちょっと話したことですが、通貨や貨幣の役割 として、決済手段に重きをおいてわかり易く考えてみたいと思いま す。
交通系ICカード(例えばスイカ)は1枚購入するのに500円の デポジットが必要です。
個人情報を入力する必要も無く、匿名性は担保されています。各社 のシステムをリンクさせて、社会的インフラの構築がどんどん拡大 しております。交通機関に限らずコンビニでも、自販機でも、あり とあらゆる端末で出入金が物理的には可能です(20,000円ま でしかセーブできませんが・・・)。
このICカードの中には日本ならば日本円が入っています。この日 本円を地域通貨や各種商品券(百貨店、ビール券、図書カード、地 域商品券、各社の割引クーポン等)に置き換えても、匿名性は担保 されますし、必要な時に必要な金額を価格変動なしで残高がある限 り使えます。。
そしてこのICカードは端末にかざすだけで出入金ができるので、 分割も可能という優れものです。
では、このICカードの価値は?という質問です。
1枚500円で購入可能ですので、500円です(より正確には、 500円はデポジットで、解約時に220円を徴収される、280 円が返金されるので280円です)。
仮に匿名性の高いICカードが出来て、入金残高が無制限(理論的 には可能)となるならば、ICカードに1億円をチャージして、そ のカードを取引相手に渡せば、マネーロンダリングも使えます。
500円のカードにマネーを入れて初めてその金額分の価値が生じ ますが、1枚は500円です。
恐らく無制限残高にしても1枚は500円で値段が1500倍に跳 ね上がることは無いと思います。
ICカードはブロックチェーン技術を使わなくても、決済手段とし て十分に機能しつつあり、貨幣として(というよりも、細分化され た財布として)、電子マネーは社会的に必要な性格を十分に備えて いると思います。
では、ビットコインなどの仮想通貨はどうでしょうか?
ネットの中で取引をすることは可能で、ネットを通じてスマホなど の端末で入出金が可能ですが、基本的な性格は交通系ICカード等 の電子マネーと同じかなと思っています。
そんな単純な仕組みが高値を付ける意味がわかりません。
しかも、ブロックチェーン技術はその使われている仮想通貨に何ら 価値を産み出しません。
現在の仮想通貨は、それを信じる人々の間で、主に投機目的で売買 され、現実の価値以上に高い値段が付いています。しかも既存のド ルや円という貨幣価値で。しかし、実際に政府が規制をして、仮想 通貨と既存貨幣の交換を禁止する処置をとると、貨幣との交換が不 可能になります。
政府は万能です。仮想通貨の取引を禁じるだけでなく、仮装通貨と 貨幣の交換を禁止することで、仮想通貨の価値をゼロに変えること も可能です。
まだ規制当局は様子を窺がっている状態です。しかし、政府や中央 銀行の存在を脅かす存在になれば、遠慮なく匿名性の削除等の強制 的な措置を講じると思います。
仮想通貨が非常に困った存在なのは、価値が安定していないことで す。価格が常に変動するので、支払い履歴に関係なく残高が変動し ます。そんなものが電子マネーと立場を逆転するとは思えません。 また、ICカードは重い携帯端末を持たなくてもカード一枚でやり 取りができるので、仮想通貨よりもはるかに利便性が高いです。
そんなことを考えると、どうも今の仮想通貨ってのは通貨ではなく て、電子版子供銀行券のレベルかなと思えてしかたがないです。
ここに2つの記事を掲載しておきます。
2つとも的を得ていると思いますので、是非読んでください。
『ビットコインの価値は、仮にその取引の全てをデビットカードや クレジットカードの取引のように当局側で把握できるならば、1万 ドルよりもむしろ10ドルに近づくはずだ。』
『問題は、ビットコインの熱心な支持者が、貨幣の特性とその本質 を混同している点にある。これは難しいテーマだ。主流の経済理論 では、貨幣とは何かという点にほとんど触れないまま、単に物々交 換の手間を省くための仕組みだと想定している。
紙幣が金との兌換性を保っていた時代には、ほとんどの人が、貨幣 には、貴金属である金が持つ本質的価値があると信じていた。だが 、18世紀初頭に起きたミシシッピ会社「バブル事件」の元凶とな ったジョン・ローが指摘しているように、「商品を交換する際の価 値基準が貨幣なのではなく、貨幣という価値を求めて商品が交換さ れる」のだ。
要するに、金は、貨幣として用いられることによって、その価値の 大半を獲得しているのであって、その逆ではない。では、貨幣はそ の価値をどこから得ているのだろうか。』
仮想通貨は、貨幣として用いられることによって、その価値を得て いるであろうか?
否
ジョン・ローが指摘した点を考慮すると、貨幣という価値を求めて 仮想通貨が取引されているという意味で、仮想通貨は実在しない仮 想の商品に過ぎないので、まさにバブルであり、電子マネーを超え るレベルのものではない
というのが私の個人的な意見です。
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そしてBloombergにこんなニュースが出ていました(字幕 は日本語)
そんなのわかりきっているでしょう(^_-)
まぁ、価値があるのは今のうちだけなので、価値が無くなればこん な問題も無くなります。
おまけですが、ICカードの賢い利用法???
スイカ1枚を購入する際に500円のデポジットを取られます。そ して上限の2万円をチャージ。一方で、スイカの解約時に払い戻し 手数料として220円引かれるので、戻りは280円。スイカに上 限2万円をチャージした場合、1枚の手数料は1.4%になります 。
ここで悪知恵が働きます。
仮に1000枚作って2万円をチャージすると2,000万円分の 電子マネーの出来上がり。しかも無記名で駅の自動発券機で買える ので極めて匿名性が高いです(おまけに領収書が出るので経費で落 とせるし・・・社員数が少ない会社はリスクあるけどね)。 これを誰に渡そうが、監視されていなければ、 もう追いかけることは不可能。
もちろん換金の手間はかかりますが、手数料1.4%で匿名性を担 保したまま、他人へお金を譲渡することが可能な訳です。例えば、 2,000万円を愛人に譲渡する際に、税金を課される心配もあり ません。わずか1.4%の手数料、つまり、28万円だけ払えばお 金を譲渡できるんです。仮に10000枚に2万円チャージすれば 2億円です。2億円をバカ息子に相続させようとすると、 相続税が掛かります。その税率は1.4%なんて低い訳ありません 。しかしスイカを使えば、ある意味合法的に相続税を回避すること が可能で、そのコストはわすかに280万円です。
スイカを盗まれるリスクはありますが、仮想通貨も取引所から盗ま れるんですから同じでしょう。
シンプルに考えていくと、仮想通貨には皆が理解できないブロック チェーンという技術のことで煙に巻くだけで、 貨幣として機能している箇所がない。基本的な性質は電子マネーだ し、日本では交通系ICカードの方がはるかに社会的インフラに近 く、かつ利便性も高く、価値の貯蔵手段として機能しているし、さ らに国内である限り円の価値は一定なので、上限が2万円という制 約はあるけれども、十分に匿名性もあるし、譲渡も可能だし、 換金も簡単。
これに胡散臭い仮想通貨が勝つとかあり得ないと思います。
専門家ではないので間違っていたらごめんなさい。
Good Duck!
Shortman