おはようございます。
Shortmanです。
NY株価が乱高下を繰り返し始めました。
ボラティリティの上昇です。
ダウは先週末に600ドル以上の下げを記録し、月曜日には1,000ドル以上の下げ、昨日は500ドル以上の上げと連日乱高下が続いております。
減税後に株価が急落したケースでは、1985年レーガン政権時代のブラックマンデーが思い出されます。
2017年2月22日の為替日報:
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トランプラリーがずいぶんと続くので、レーガン政権の時代の税制を調べてみました。難しい話は相場に関係ないので割愛して、NY株価と減税政策の時系列を株価のグラフにプロットしただけですが、なかなか面白いことが見えてきました。
レーガン政権時の1981年に経済再建税法(ERTA81)で減税が行われた。しかし、財政赤字の拡大に伴って、1982年に公平税制・財政責任法(TEFRA1982)が導入され、1984年には財政赤字削減法(DEFRA1984)が実施された。そして1986年には再び減税策として、税制改正法(TRA86)が施行された。株式市場はこの減税策を好感したが、その翌年の1987年10月に史上最大規模の世界的株価大暴落となるブラック・マンデーを迎える。
1985年12月3日に米議会下院に税制改正法(TRA86)が提出され、同年12月7日に下院を通過、1986年6月24日に上院を通過、同年9月18日に両院合同員会に提出され、同年9月25日に下院が承認し、同年9月27日に上院が承認した。両院の商品を経た翌月10月22日にレーガン大統領が署名をした。
1985年1月~1987年12月までのダウ平均
出所:Shortmanが作成
この案が提出される前月にあたる1985年11月のダウ平均の終値は1,472.13ドルであったが、減税案となる税制改正法(TRA86)が下院を通過した12月の終値は1,646.67ドルへ74.54ドル(5.06%)上昇した。そこから下院を通過した6月の終値は1,892.72ドルで1985年11月の終値からは実に420.59ドル(28.6%)も上昇した。レーガン大統領が署名をした1986年10月の終値は1,877.71ドルとなり、法案提出の前月から405.58ドル(27.55%)上昇していた。その後もダウ平均は上昇を続け、ブラック・マンデーの2ヶ月前となる1987年8月に2,746.65ドルまで上昇し、実に1,274.52ドル(86.58%)も値上がりしていた。しかし、1987年10月19日にブラック・マンデーを迎え、2,164.16ドルの最高値をマークした後に、1,677.55ドルまで486.61ドル下落し、その下落率は22.48%にもなった。終値ベースで見ると法案提出前から521.4ドル(35.42%)の上昇であった。
この時のことを思い返すと、税制改正法(TRA86)への政策期待が大きく、実際の政策効果の正確な予測も行えないにもかかわらず、市場は楽観的な評価を行い、ダウ平均株価が一時86.58%も上昇してしまった。しかし、税制の効果などが行われ初めるようになると、政策効果への過度の期待が修正されていったと言えるかも知れない。
トランプ大統領が誕生して以降、具体的な減税政策の内容が未だに不透明にもかかわらず、NY株価は上昇し続け、史上最高値の更新が続いている。今のNY株式市場の状況が、レーガン政権の1986年の減税案・税制改正法(TRA86)と1987年のブラック・マンデーの関係になるのではないかと予想している。
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もう少し長期的に金利との関係で相場を眺めると、グリーンスパン元FRB議長時代のケースが参考になるかなと思います。
2017年11月27日の為替週報より。
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