ちょっと大事な事。
『副議長は22日、ニューヨークで講演。講演原稿によると、「過去約10年に起きた前例のない出来事を踏まえると、当局の戦略やツール、意思伝達をどのような方法で改善できるか、またそれが可能なのかどうか、一歩引いて検証する良い時期だと考える」と指摘。
「引き続き先入観を持たずに現行の慣行を精査し、法律で定められた2大目標を達成する能力を高めるためのアイデアを考察することは理にかなう」と述べた。クラリダ氏はシカゴ大学ブース経営大学院が主催した金融政策に関する年次会議で発言した。』
この先に起こり得ることは、恐らく日本銀行が実施した手法を前例として踏襲すると考えられる。
つまり、以下の3点だ。
①「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」(2016年9月)
②「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」(2016年1月)
③ETF購入(2010年10月)
その後株価が上昇するかどうかは不明だが、株価上昇を期待しての政策であろう。
日本銀行がやったことだが、日本では何の効果もなく、ただ単に日銀のバランスシートが拡大し、出口戦略が難しくなってしまったことと、金融機関の収益環境を悪化させただけの愚策であった。
今後のシナリオだが、みずほの上野さんの見解を掲載しておこう。
中央銀行のバラスシートの拡大は2018年も続いていた。
『FRBが2017年秋からバランスシート縮小を開始してもなお、米国株の上昇が持続したのは、「金融市場取引がグローバル化している中、米国がバスタブから水を緩やかに抜き始めても、ユーロ圏や日銀が蛇口を開けたままであれば、水量は増え続けるから大丈夫」といった、「カネ余り相場」持続に対する安心感だった。
実際、日米欧主要3中銀が抱える総資産(バランスシート規模)の合計額は18年に入っても拡大を続けた。』
しかし、2019年になると逆転して縮小方向へ。
『だが、欧州中央銀行(ECB)は、景気指標下振れの継続や消費者物価の伸び悩みにもかかわらず、計画通り18年末で量的緩和をやめて再投資政策に移行することを選択した。
ECBのバランスシート規模が横ばいになると、FRBによる縮小と日銀による拡大の「綱引き」になるわけだが、ドル換算では前者の方が規模は大きいので、19年に入ると3中銀のバランスシート合計額はついに縮小に転じる。それが数カ月先に見えたことで市場心理はにわかに不安定化し、ハイテク株や原油などいくつかの「ミニバブル」崩壊を伴いつつ、米国株は急落した。』
昨年末からの株価下落を受けてFRBが急きょ方針転向。
『ところが、今年に入り、FRBはハト派に急旋回した。パウエル議長はバランスシート縮小を早い段階で終えると言い始め、ブレイナードFRB理事は14日、縮小は年内で終了すべきだ、と述べて、さらに一歩踏み込んだ。
米国株にとって、実に大きなバレンタインデーのプレゼントになったと言える。年内のバランスシート縮小終了が多数意見だということは、その後、1月のFOMC議事要旨で確認された。』、
景気下振れを回避すべく各中銀はバランスシートを再び拡大する。
『こうした状況下で足元の金融市場は、「カネ余り相場の宴よ、もう一度」とでも表現すべき、期待を膨らませながらの動きになっている。FRBのバランスシート縮小が早期に終われば、日銀の動きを原動力に、3中銀のバランスシート合計額は緩やかながらも再び拡大に転じるだろう。
また、景気下振れに対する警戒を強めているECBが貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)を再開すれば、同中銀のバランスシート規模が再び拡大する可能性も出てくる。』
そうなった時のドル円は?
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