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為替週報(2019年5月20日)

 

おはようございます。
Shortmanです。

 

各国中央銀行の低金利政策。
運用難を招く一方で、各企業の資金調達を容易にしている可能性が高い。

『外国人投資家は昨年、ドル建て資産のヘッジ支出を増やさざるを得なかったが、それでも米社債に資金を流入し続けている。しっかりしたリターンや、年内は堅調な米国の経済成長が期待できることが、多くの外国人にとって高くつくドルのヘッジ費用を巡る懸念よりも大きな存在になっているからだ。米連邦準備理事会(FRB)が今年初めに突然、金融政策の運営姿勢を引き締めから中立に転換し、社債市況がはっきり持ち直したため、外国人が気兼ねなく買える環境が生まれた面もある。』

つまり、

リターンへの誘惑 > 慎重なヘッジ費用

ということ。

世界中が右へ倣え。

リスク無くしてリターン無し。リターンが高いということは、リスクも高いということ。

今と逆回転が起きればそれもまた右へ倣え。

右へ倣えもリスクが高い。

もし金利が上がるような事態が生じたら本当に恐ろしい。

『同時に外国人投資家は、割高なヘッジ費用を負担するよりむしろ為替ヘッジをしない道を選んでおり、ドルが値上がりしているためそうした作戦が功を奏している。

ロイターの計算によると、ユーロの3カ月物フォワードに基づく欧州投資家のドルヘッジ費用は約3.1%と、昨年11月のおよそ3.4%からやや下がったとは言え引き続き高水準だ。

アナリストによると、欧州の投資家にとって為替ヘッジ費用を差し引いたベースの米高利回り債のリターンはプラス3.1%で、欧州の高利回り債のリターンはプラス3.5%前後。BNPのブラウンズ氏は「米経済が強く、ドルは堅調に推移すると考えるなら、為替リスクはヘッジしないだろう」と解説する。』

為替ヘッジ無しか・・・

『バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのミケルソン氏は、FRBの中立スタンスを理由にヘッジ費用は低下基調になるとみている。「半年前に米社債を買っていたら、今年はずっと割高なヘッジを組むことが想定された。市場環境が良好に見えなかったからだ。今なら外国人投資家は、市場が利下げを織り込んでいるので、より低いヘッジ費用を見込んで差し支えないだろう」と語った。

そのため日本の投資家は今年外債投資を再開し始め、大半の資金を米国債を含む米国の確定利付き商品に振り向けつつある。特に日本の保険会社は新年度から相対的にリスクの高い社債に投資対象を広げ、外債投資でより高いリターンを得ることを目指している。』

日本の生保は相対的にリスクの高い社債へ投資対象を広げ始めたようだ。

日本人が動き始める時はブームの終わりという気がしないでも無いが、果たしてどうであろうか?

投資適格とか不適格とかあてにならない。
低金利の陰で本来の企業業績が反映されていない可能性もあるし、なにしろ経済も金融も右へ倣えなのだから、誰かがダメになればみんなダメになる。
リーマンショックの時に経験したこと。

2019年5月13日週のドル円概況:

米国の対中制裁関税第3弾となる関税引き上げ(10%から25%へ引き上げ)を受けて、週初13日に週間安値となる109.01円をマークした。しかし、好調な米企業業績から株価がいくぶん持ち直したことや、対中関税発動から元安・ドル高や中国経済圏の通貨安・ドル高を招いており、ドル円も値を戻している。17日金曜日には過度の警戒感が和らいだことや週末のショートカバーも入り、週間高値となる110.17円まで値を戻している。

2019年5月13日週の予想レンジ:

111.00円~112.50円

2019年5月13日週の実際のドル円:

109.01円~110.17円

2019年5月20日週のドル円予想:

6月28日・29日に行われる米中首脳会談までは基本様子見で底堅い可能性が高い。一方で、サウジ・イラン情勢や、欧州経済圏の景気動向、中国通信大手ファーウェイへの米側の規制、米国の自動車輸出制限等がリスク要因として残るので、急な円高にも注意が必要。

2019年5月20日週のドル円予想レンジ:

109.00円~112.00円

 

定点観測:

ダウとドル円

ドル円と米2年債利回り

ドル・インデックスと米10年債利回り

VIX

金価格

原油価格

Shortman’s View:

JPモルガンの佐々木さんがコラムを書いているので、読んでおこう。

ロイター, コラム:制度疲労の日銀緩和、求められる令和の政策大転換=佐々木融氏

『アベノミクス3本の矢の中でも、市場に最も強力な影響を与えたのは第一の矢、つまり大胆な金融緩和政策であった。日銀は2013年1月に2%のインフレ目標を導入し、同年4月にはマネタリーベースが2年で2倍になるよう、長期国債、上場投資信託(ETF)の買い入れ額を拡大した。』

『この間、日経平均株価は約3倍の水準まで上昇した。ドル円相場は実質的には大幅な円安レベルで推移し続け、国際情勢の混乱などで株価が大きく下落してもそれほど円高方向に振れなくなっている。』

『さまざまな地政学的リスクが顕現化する中、日経平均は一見すると底堅く推移しているが、年初来で見れば、米国や欧州の株価指数に対して大きくアンダーパフォームしている。ちなみに、日銀がマイナス金利政策を導入してからの3年強でみると、米S&P総合500は約50%、ドイツのDAXは約26%上昇しているが、日本のTOPIXは11%程度の上昇にとどまる。』

結局のところ、株価は欧米をアンダーパフォームしている。

おまけに物価は上昇せず、金融機関の運用難を招いている。

『もっとも、日銀が政策目標としている生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)の前年比は、一向に2%に届かない。一方で、大胆な金融政策は徐々に副作用が目立つようになっている。イールドカーブがフラットになったままの状態が長期間続き、年金基金、生命保険会社、銀行などの機関投資家が国内の投資から運用益を稼げない状態が続いている。』

『今や国内機関投資家は、円相場に対する見通しいかんにかかわらず、ある程度為替リスクをとって外債に投資せざるを得ない。しかし、地方金融機関などは当局からの指摘を恐れて、外債への投資も増やせず、身動きが取れずにいる。』

その結果、日本の金融機関の資金が外債投資へ向かっている。

これでは結局のところ金融機関のリスクを増している気がしてならないが・・・

『あと4カ月もすると、日銀が最後に政策を変更し、イールドカーブ・コントロールを導入してから3年が経過する。ここまで手を変え品を変えてもインフレ率が目標に到達しないのだから、これまでの金融政策の延長線でインフレ率が上昇するとは思えない。多くの人がそう感じる中では、いくら日銀が目標を達成するまで現状の政策を続けると言っても、インフレ期待を押し上げることができると考えるには無理がある。

黒田日銀総裁はオオカミ少年だから。

『今の金融緩和策はもはや制度疲労していると言えるが、日銀が政策を大胆に変更し、たとえばイールドカーブをスティープ化、つまり長期金利を上昇させることに躊躇(ちゅうちょ)するのは、円高を警戒しているからであろう。』

前にも書いたけど、日銀は未だにドル円相場だけを見て政策運営をしているのだ。時代遅れも甚だしい。

そして佐々木さんの結論は・・・

『しかし、これだけ海外勢が日本の投資家による対外証券投資に注目する中では、日本の長期金利が上昇したら、日本勢が外債を売却するとの思惑が高まり、海外の長期金利も上昇するだろう。金利水準は日本より米国のほうが圧倒的に高いため、おそらく日米金利差は縮小ではなく拡大する。つまり、日銀がマイナス金利を導入した後に、日米金利差が逆に縮小し、円高になってしまったのと逆の現象が起きる可能性がある。

また、日本の長期金利が多少上昇した程度では、国内の運用難を解消するにはほど遠く、円高が進行する可能性は低い。むしろ、多少円高が進んだとすれば、逆に喜んで円を売る日本の投資家や対外直接投資に向かう企業が増えるだろう。

イールドカーブがスティープ化することで、日本の金融株が上昇し、それが日本株全体に恩恵をもたらし、結果的に円安になるという効果も期待できる。

日本の貿易黒字が極端に減少してしまった今、一時的に円高が進んだときに慌てて円を買う動きより、それを好機と捉え円を売る動きのほうが圧倒的に大きくなっている。日銀が大胆な政策変更を行っていく上では、こうした円相場の構造変化にも目を向けて対応する必要があるだろう。』

円安。

円安論を掲げる最近の佐々木さん。

なかなか説得力があるが、世界には様々なリスクがある。そんな時に真っ先に逃避先になってしまう通貨が円。もちろん何でかを誰もが納得できる理由で説明できる理論はない。

しかし、円が買われてしまう。

だからそうやすやすと円安にもならない。

大きな円高になるには債務バブルの崩壊が必要。

そうでなければ今の水準ぐらいでレンジ相場が続きそうな気がする

最後に、、制度疲労は日銀の政策だけでなく、日本の政治・経済・教育・医療・年金・企業・人事・社会・・・全ての制度で疲労が生じている。

それもまたリスク要因。

 

Good Duck!
Shortman

 

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