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為替週報(2020年1月20日)

 

おはようございます。
Shortmanです。

 

先週17日の金曜日にJPモルガンの佐々木さんのコラムを取り上げたが、毒者の方から質問が届いたので、ここに掲載しておきます。
『日銀が国債持っていると、紙幣のバラマキが簡単に出来るというのが、具体的にどうやるのかが分かりませ~ん (´;ω;`)
国際買い取った現状持っている国債を現金化するということではなく、あくまでもこれから政府がバラマキ用に発行する国債を日銀が買い取って、補助金などで直接市民に配布するということでしょうか?これいわゆるヘリコプターマネーってことですかね?』
確かに分かり難い部分かと思いますので、丁寧に説明をします。
『佐々木さんの説明の部分を二つに分けます。

日本政府の財政支出。

①『無尽蔵に財政支出を拡大して、日本に住む人々の手元に節操なく紙幣が配られるような状況となれば、円の根本的な価値は低下する。』

まずは日銀の金融緩和政策考慮せずに、日本政府が財政規律を無視して、財政支出の拡大をすると、(日本政府が債務を真面目に返済する意志が無いと思われて)円の信頼は失墜し、円の価値は低下するということです。。

現行の日銀の量的緩和。

②『日銀の量的緩和政策は金融機関が保有する債券と現金を交換しているだけなので、紙幣が配られていたわけではない。日銀の量的緩和政策のお陰で、何の対価もなく日銀から現金を供給され、手元のお金が増え、もうかったという話は聞いたことがないだろう。』

日本政府債務、つまり、日本国債の日銀引受が行われていない。そのために、日本銀行の量的緩和は、民間金融機関が日本政府の国債発行を引き受け、その後日本銀行が民間金融機関から日本国債を購入している形式です。そのため、日本銀行の現金残高が減り、日銀の国債保有残高が増えている一方で、民間金融機関の国債保有残高が減り民間金融機関の現金が増えているに過ぎないので、紙幣が配られている訳ではない。

しかし、

『一方で、政府は財政支出を通じて何の対価もなく国民に紙幣を配ることができる。しかも、日銀が国債を大量に購入している現状では、より容易に実行できる。』

民間金融機関が政府国債を引き受けて、日本政府は現金を手にしており、それを日本政府が財政政策を行えば、国民に紙幣を配っていることになる。ましてや、何度でも、そして、いくらでも日銀が民間金融機関から日本国債を購入して、それを政府が利用して、国民に財政支出でばらまくのであれば、日本国債の日銀直接引受けではなくても、それは実質ヘリコプターマネーと変らないということになります。

政府が②を悪用して①を行えるようになると、『ドル/円相場はたかだか約70─80年前に、現在と似たような経験を通じて、1ドル4円台から360円に急上昇し』た第二次大戦と終戦時に起きたことが再び起きてしまうと警告しています。』
というような感じです。
他の毒者の皆さんも分かって頂けたでしょうか?
(Shortman’s Viewに続く・・・)

2020年1月13日週のドル円概況:

ドル円は週初13日に109.44円の週間安値をマークした後、15日に米中通商交渉の第一弾署名を控えてじり高に。日本時間14日には米財務省が中国の中国の為替操作国認定を解除したことから110円台を回復。15日には米中通商交渉の第一弾の署名が交わされ、材料の出尽くしに。その後は良好な米企業の決算や経済指標に支えられNY株価が史上最高値を更新し、ドル買い・円売りの流れとなり、週末17日のは週間高値となる110.28円まで値を伸ばした。

2020年1月13日週の予想レンジ:

108.50円~110.50円

2020年1月13日週の実際のドル円:

109.44円~110.28円

2020年1月20日週のドル円予想:

今週は20日と21日に日銀金融政策決定会、23日にはECB定例理事会が開催されるが政策変更は無いであろう。そのため、今週も米企業決算がドル円相場を左右しそうだ。

2019年1月20日週の予想レンジ:

109.50円~111.00円

定点観測:

ダウとドル円

ドル円と米2年債券利回り

ドル・インデックスと米10年債利回り

VIX

金価格

原油価格

Shortman’s View:

タイミングが良いことに先週17日に日本政府の中・長期的な試算が公表された。

中長期の経済財政に関する試算

これに関するロイターの記事を参考に読んでおこう。

ロイター, 焦点:遠のく財政再建、経済対策は無力 成長底上げ未だ力不足

昨年12月に閣議決定した事業規模26兆円に上る大型経済対策は今回の試算で将来の成長率や財政収支にどう影響してくるのだろうか。18年に続く大型対策は歳出を膨張させていることは事実だ。18年、19年の国債費を除いた歳出額は昨年7月試算を数兆円単位で上回っている。

一方で、経済対策で期待される成長への効果は、20年度に大きく発現し、1.1%ポイント程度成長率を押し上げるが、それ以外の年は、中長期的にはほとんど変わっていない。』

ずばり「効果が無い」ってことです。

『試算のうち、将来的に実質成長率2%・名目3%超を描く「成長実現ケース」でみると、アベノミクスが始まったばかりの14年1月の試算では、実質成長率は20年度にすでに2.3%に達し、PBは12兆円程度まで赤字が縮小しているはずだったが、経済対策を織り込んでもなお、今回の試算では1.4%成長どまりで、赤字はまだ15.3兆円残っているとの見通しだ。

2014年の試算では基礎的財政収支(PB)は12兆円のはずが、今回の資産では15.3兆円となり、減るどころか増えてるし…

まぁ、計画は全て絵に描いた餅だから。

『しかし、夢を描いたような「成長実現ケース」ではなく、「ベースラインケース」でみた方がむしろ現実の経済状況に近い。将来にわたり実質成長力は1%程度で推移するシナリオであり、PBは10年後においても全く黒字化浮上の兆しは見えない見通しとなっている。小林氏によると、これですら、現状の0%台半ばの潜在成長率に比べれば上出来のシナリオだという。』

政府の資料でベースラインは青色ですが、黒字化は見えていない。

財政支出を増やしても成長しない日本経済だが、何が問題なのか?

『経済財政諮問会議の民間議員を務める柳川範之・東京大学大学院教授は、日本に必要なのは需要サイド向けの経済対策ではなく、供給サイドの強化だと指摘。地力のない日本に今必要なのは、人材投資とデジタル化による将来的な成長につながる歳出に力を入れることだと主張する。』

人材投資だとかデジタル化とか言われても曖昧過ぎてわからないが、供給サイドの強化は正しい。しかし、それは本来政府がやることなのか?という気がする。

『東京大学大学院の福田慎一教授も「本丸は少子化問題だ」と指摘。経済縮小に向かっている国では放っておけば成長率も税収も上がらない。今回の経済対策も、災害復旧や老朽化インフラの対策は必要とはいえ、いくら自然災害に対抗策を講じても成長力強化にはつながらないとみている。』

少子化が大問題なのだ。で、具体的にどうやって子供増やす?ってとこがない。

『折しも、政府は今年、社会保障改革の本丸である医療改革に取り組むことになっている。この分野は、歳出抑制の最も効果の高い分野であると同時に、高齢者偏重の社会保障制度に切り込み、本来あるべき全世代型社会保障に移行できるチャンスでもある。』

医療費等の社会保障分野への切込みは水道の蛇口を締めると言う意味では良いが、そもそも少子化の問題とは水道のタンクへ流入する水が減っていることではないのかと。

根本的な解決は水道のタンクへの水の流入量を増やすことだ。

安心して子供を育てることができる社会とは、子育てのコストが安い社会だ。少子化ということは、子育てのコストが高いからバンバン子作りをしないのだ。

そこを解決するのは政治家の仕事だ。

未成年者は有権者では無いので、政治家には老人の方が大事だろうが、社会全体で見れば間もなく死んでいく老人よりも、これからの世代を担う子供達を大事にすべきだと私は思う。かくいう私も既に老人の一歩手前だが・・・

そして、日本が抱える少子化問題の解決策がないまま時間が過ぎれば、前半に記載したような安易なファイナンスに頼る財政支出を繰り返し、最終的には財政破綻を迎え、国民生活が貧窮することになりかねないのだと思います。

 

Good Duck!
Shortman

 

 

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