おはようございます。
Shortmanです。
『衆院は12日の本会議で、公的年金の受給開始年齢を75歳まで繰り下げられるようにする年金改革法案を可決した。与党のほか立憲民主党なども賛成した。高齢者による就労を後押しする狙いがある。今国会で成立する見通しだ。』
これは年金支給年齢を平均寿命よりも引き上げるための姑息な手段の第一歩に過ぎない。
高齢者の就労を後押しするとか格好良い理屈を並べるな!!!
政府寄りの御用経済新聞が!
日本の社会保障改革はまだ始まってもいない。
2016年7月19日の為替レポート。
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実は昨日、日本は少子高齢化の問題について、ヘリマネでは解決しないと書いた。少子高齢化と日本の財政赤字はリンクしている。特に高齢化により、年金や医療費など、社会保障費が膨らんでいるのは毒者の皆様でさえご存知の通り。先日こんな記事を見てしまいました。上智大学で鬼頭先生の講義は受けた記憶がある。確か全員に単位をくれた優しい先生だった気がする。田舎の大学とは言え、学長にまでなるとは出世したもんだと思って見ていた。
毎日新聞, 65歳以上、4人に1人超す 社会保障、運営厳しく 識者に聞く
『生産年齢人口、引き上げの時期 鬼頭宏・静岡県立大学長(歴史人口学)
65歳以上が高齢者という概念を変えてもよいのではないか。65歳以上が4人に1人を超えたのは象徴といえる。65歳以上の年金支給年齢の引き上げも検討すべきで、同時に高齢者の再雇用をもっと進め、定年制の見直しをすべきだ。生産年齢人口の上限も、現在の65歳未満から、70歳未満に引き上げるといったことも考える時期に来たといえるだろう。 』
はい。年金支給年齢の引き上げは、政府にとっても望ましいはずです。
医療費の問題は明日以降に書くとして、本日は戦争を知らない毒者の皆様に、年金制度の不都合な真実をお伝えしましょう。同じ内容が度々出てきますが、それはご勘弁を。
日本に最初の年金の法律ができたのは、大東亜戦争の真っ盛りである1941年(昭和16年)です。
「昭和16年法律60号労働者年金保険法」
戦争で多くの人が死に、平均寿命も短かったので、戦費調達には完璧でした。
戦前の終戦後は、、「昭和25年10月の社会保障制度に関する勧告」により戦後最初に制度設計が検討され始めました。当然に戦前の「昭和16年法律60号労働者年金保険法」をベースに、年金制度の見直しが行われ、昭和28年12月10日に、社会保障制度審議会会長から、内閣総理大臣宛に「年金制度の整備改革に関する件」として素案が示され、翌年年金法が制定されます。
「昭和29年5月19日法律第105号厚生年金保険法」
ベースとなる年金法ができた昭和16年は、戦争中で昭平均寿命は50歳くらいでしたが、和25年(1950年)当時の平均寿命は、既に男性58.0歳、女性61.5歳でした。19歳から支払いをして、年金支給開始年齢が60歳というのだから、スタート時点で破綻するのがわかっていたような制度ですね。
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2011年8月4日に『【財政政策】年金支給開始年齢を100歳からにしよう! 』という記事を書きました。それを掲載しておきます。
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米国に限らず政府を苦しめるのは医療費と年金。
日本も同じです。
政府と言うPonzi Schemeを存続させるのも、破綻に導くのも全ては社会保障。
このブログは昨年から年金問題について、我ながら非常に簡潔にその問題点を浮き彫りにしていると自負しております。
現在の年金制度の基礎は昭和28年にまで遡る必要がございます。
年金制度の整備改革に関する件
昭和二十八年十二月十日
社会保障制度審議会会長発内閣総理大臣宛
これによると、「昭和25年10月の社会保障制度に関する勧告」により戦後最初に制度設計が検討されたことが伺えます。
「19歳以上が20年間支払って、60歳(女性65歳)から支給開始」
昭和25年(1950年)に検討されましたがその当時の日本の平均寿命は男性が58.0歳、女性が61.5歳でした。
平均寿命(男性58.0歳) < 年金支給開始年(男性60.0歳)
ご覧の通り、年金が支給される前に国民は死んでいる。
年金が破綻するなんて有り得ない素晴らしい制度でした。
しかし、役人のやることは完璧に見えますが、いつでも欠陥が見つかります(苦笑)
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