為替週報(2021年8月30日)
先週のジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演を踏まえて、米長期金利の上昇は抑えられつつ、米軍のアフガニスタン撤退期限が31日(火)に迫る中、ISによるテロと米軍による報復など地政学的なリスクの高まりも懸念され、ドル円の頭は重い展開を予想。ただし、9月3日(金)の米雇用統計には注意が必要。
先週のジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演を踏まえて、米長期金利の上昇は抑えられつつ、米軍のアフガニスタン撤退期限が31日(火)に迫る中、ISによるテロと米軍による報復など地政学的なリスクの高まりも懸念され、ドル円の頭は重い展開を予想。ただし、9月3日(金)の米雇用統計には注意が必要。
昨日のNY株式市場は反落。翌日にパウエルFRB議長の講演を控えて様子見ムードが漂う中、新型コロナウイルスデルタ株の感染拡大が懸念され、かなり慎重な対応を示すのではとの見方が強まる。ただ、数人のFRBメンバーが年内テーパリングを歓迎するタカ派的な発言をしたことや、アフガニスタンの首都カブールでの混乱を嫌気して売りが拡大。
昨日のNY為替市場はドル下げ止まり。ジャクソンホールでのシンポジウムを控えてポジション調整目的のドル売りが優勢であったが、NY株高を背景に米長期債利回りの上昇を意識してドルは下げ止まった。ドル円は109.41円から109.75円まで上昇して、109.68円で取引きを終えた。
先日のFOMC議事要旨から、年内にテーパリングが始まる可能性が高まっている。しかし、米国でもデルタ株による感染が拡大して、消費者心理も悪化している、また、デルタ株の世界的な感染拡大により、原油先物相場も軟調推移となり、米インフレ期待も沈静化する中で、テーパリング(資産購入縮小)をいつおこなうかは不透明。
昨日のNY為替市場はドル買い。新型コロナウイルスのデルタ変異株流行が懸念される中で、FRBが年内に緩和縮小に踏み切るとの思惑が高まり売りが多いが、週間新規失業保険申請件数がパンデミック以降で最低水準まで減少したことで労働市場の回復の兆候と受け止められドルが買戻された。
昨日のNY為替市場はドル買い。7月の米小売売上高が予想よりも悪く、ドル売りが強まっていたが、その後量的緩和の縮小期待とアフガニスタン情勢の地政学的リスクが高まりドルの買戻しに。ドル円は109.18円から109.66円まで上昇して、109.59円で取引きを終えた。
来週にジャクソンホールでのシンポジウムを控え様子見ムードを予想。8月の米NY連銀製造業景気指数や7月の米小売売上高、米鉱工業生産指数、前回のFOMC議事要旨、米週間新規失業保険申請件数、8月の米フィラデルフィア連銀景況指数などに市場は左右されそう。ただ、最近のFRB高官らのタカ派的な発言の割にドル円の頭は重いので注意。
7月の中国の製造業PMI指数が冴えなかったことや、中国での新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大へ懸念、7月のISM製造業景気指数が予想より弱かった事、原油価格の下落を受けてドル円は3日(火)に109円を割り込んだ。その後4日(水)には7月の米ADP雇用統計が予想よりも弱く、週間安値となる108.71円まで下落した。
昨日のNY為替市場は円買い後・ドル買戻し。FRBがハト派的な姿勢を継続する中、新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大を懸念してリスク回避の円買いになるも、6月の米製造業受注や耐久財受注(改定値)が予想より強くドルは買戻しに。ドル円は109.19円から108.88円まで下落して、109.06円で取引きを終えた。
先週のFOMCの結果(ハト派的解釈優勢)を受け、株価は上昇するかも知れないが、ドル円の上昇余地は乏しいと予想。なかなか110.60円を超え難い状況が続く一方、新型コロナウイルス・デルタ株の感染拡大がリスク要因となり、やや下値を下げる展開になるかも知れないと想定。ただ、株価が支えとなり大きくドル円が下落する可能性も低い。
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